早生で耐雪性に優れる牧草イタリアンライグラス新品種「クワトロ-TK5」発売 農研機構2023年8月24日
農研機構が開発したイタリアンライグラス早生品種「クワトロ-TK5」の種子が8月下旬から販売開始。同品種は根雪期間80日程度までの積雪地で栽培でき、早生であることから、刈り取り後に夏作を播種しても生育期間が十分にとれる。積雪地でも二毛作が可能となり、土地面積あたりの収量増加が期待できる。
「クワトロ-TK5」の草姿(2016年5月6日、岩手県盛岡市で)
耐雪性に優れるイタリアンライグラス早生品種「クワトロ-TK5」は、根雪期間80日程度までの積雪地で栽培でき、早生なので刈り取り後に夏作(サイレージ用トウモロコシ等)の生育期間が十分にとれるため、積雪地でもイタリアンライグラス―サイレージ用トウモロコシの二毛作が可能となる。
イタリアンライグラスは、初期生育に優れ、栄養価と嗜好性が高いため家畜の生産性が高まることから、国内で最も種子流通量の多いイネ科牧草。関東以西では冬作にイタリアンライグラスを栽培し、夏作にサイレージ用トウモロコシを栽培する二毛作体系での生産が広く行われている。
イタリアンライグラスは耐雪性に劣るため、北海道や東北・北陸地域など根雪期間の長い地域ではあまり栽培されてこなかった。中生品種には耐雪性に優れる品種もあるが、トウモロコシの栽培期間が限られる東北地域で二毛作を行うには、刈り取り時期の遅くなる中生ではなく、5月中旬に刈り取り作業が終えられる早生で耐雪性に優れる品種が必要となる。そこで、農研機構東北農業研究センターでは、この条件を満たしたイタリアンライグラス早生品種「クワトロ-TK5」を育成した。
「クワトロ-TK5」の種子は8月下旬から雪印種苗から販売される。「クワトロ-TK5」を利用することで、東北や北陸地域の根雪期間80日程度までの積雪地でイタリアンライグラス―サイレージ用トウモロコシの二毛作が可能となり、年間の飼料生産量の増加が期待できる。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(127)-改正食料・農業・農村基本法(13)-2025年2月1日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(44)【防除学習帖】第283回2025年2月1日
-
農薬の正しい使い方(17)【今さら聞けない営農情報】第283回2025年2月1日
-
2024年の農業就業者は180万人 前年比7万人減 総務省・労働力調査2025年1月31日
-
備蓄米の買い戻し条件付き売り渡しを諮問 農水省が食糧部会に2025年1月31日
-
殺処分対象911万羽 鳥インフルエンザ 国内48例目 愛知県で確認2025年1月31日
-
"人財"育てチームで改革(1) JAみえきた組合長 生川秀治氏【未来視座 JAトップインタビュー】2025年1月31日
-
"人財"育てチームで改革(2) JAみえきた組合長 生川秀治氏【未来視座 JAトップインタビュー】2025年1月31日
-
【世界の食料・協同組合は今】EU環境戦略の後退と戦略的対話 農中総研・平澤明彦氏2025年1月31日
-
【クローズアップ 畜産・酪農対策】生乳需給参加が事業要件 「欠陥」改正畜安法是正へ農水省方針2025年1月31日
-
(420)「いまトラ」をどう見るか【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年1月31日
-
GI取得「かづの牛」など農産物・加工品6産品 農水省2025年1月31日
-
いちご観光農園「熊本あしきた いちごの森」オープン 「ゆうべに」「恋みのり」食べ放題 JAあしきた2025年1月31日
-
シャキッと甘く 高級かんきつ「甘平」出荷始まる JAえひめ中央2025年1月31日
-
全国の魅力的な農畜産物・加工品が勢ぞろい JA全農が商談会2025年1月31日
-
岩手県から至高の牛肉を「いわて牛・いわちくフェア」2月1日から開催 JA全農2025年1月31日
-
「国産米粉メニューフェア」銀座みのりカフェ・みのる食堂で開催 JA全農2025年1月31日
-
「はこだて和牛」など味わえる「JA新はこだてフェア」2月1日から開催 JA全農2025年1月31日
-
「ニッポンの食」で応援 全日本卓球選手権大会(ダブルスの部)に特別協賛 JA全農2025年1月31日
-
蔵出しミカンの出荷始まる 食味良く大玉傾向 JAふくおか八女2025年1月31日