サツマイモ基腐病に強い青果用新品種「べにひなた」育成 農研機構2023年8月30日
農研機構は、サツマイモ基腐病に強い抵抗性を持つ青果用新品種「べにひなた」(系統名:九州201号)を育成した。
青果用新品種「べにひなた」
「べにひなた」は、ホクホクとした肉質でやさしい甘さがあり、外観品質に優れており、「べにはるか」並みに多収。サツマイモ基腐病のまん延が深刻な問題となっている南九州の青果用サツマイモ産地への普及により、サツマイモの安定生産に貢献すると期待される。
宮崎県や鹿児島県など南九州の青果用サツマイモの産地では、主に「高系14号」と「べにはるか」が作付けされているが、いずれの品種もサツマイモ基腐病に弱く、基腐病による深刻な被害が問題となっている。基腐病が発生している産地では基腐病に抵抗性のある品種の作付けを進める取り組みが行われているが、青果用の抵抗性品種は限られており、新しい抵抗性品種の開発が強く求められている。
今回農研機構が開発した「べにひなた」は、基腐病に強い抵抗性を有することを特長とする青果用新品種。抵抗性の程度は、従来の品種よりも優れる"強"で、ホクホクとした肉質でやさしい甘さがあり、外観品質に優れ、「べにはるか」並みに多収。貯蔵しても肉質が変化しにくく加工原料としての安定性があるため、食品加工用途での利用も
見込まれる。
基腐病抵抗性品種「べにひなた」は、南九州での青果用サツマイモの安定生産に向けた新たな一手として普及が期待される。
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