【特殊報】ニホンナシに「ナシハモグリダニ」県内で初めて確認 熊本県2023年8月30日
熊本県病害虫防除所は、ニホンナシ(バラ科)にナシハモグリダニ(仮称)の発生を県内で初めて確認。これを受けて、8月25日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第3号を発令した。
図1:葉の被害(火ぶくれ症状)(写真提供:熊本県病害虫防除所)
熊本県病害虫防除所によると2023年4月、県内のナシ栽培園において、葉の両面がこぶ状に膨らむ「火ぶくれ症状」が発生している樹が発見された(図1)。症状を呈している部位の内部には、フシダニ科の寄生が認められた(図2)。
図2:内部に寄生していた成虫(写真提供:熊本県病害虫防除所)
法政大学植物医科学センターに同定を依頼した結果、ナシハモグリダニ(仮称:Eriophyes sp.)と同定された。同種の発生は当該ほ場の一部に限られ、現時点で他の園地に同様の症状は認められていない。
ナシの葉に火ぶくれ症を発生させるフシダニ科の害虫として、ニホンナシハモグリダニ(仮称)が2012年以降、神奈川県、長野県、栃木県、秋田県から、セイヨウナシハモグリダニ(仮称)が2018年以降、秋田県と山形県から病害虫発生予察特殊報が発表されている。
これまで、両者は別種としてそれぞれ発表されてきたが、現在は同一種とみなされている。同種もこれらと同種と同定されたため、国内では7例目(ニホンナシでの発生は5例目)の発表となる。
形態としては、成虫の体長は約0.2mmで白色または黄褐色のうじ虫型、卵は球形半透明。生態は明らかにされていないが、ニホンナシで発生した既報(神奈川県の病害虫発生予察特殊報)によると、芽の中で越冬し、発芽とともに芽から脱出し、葉に火ぶくれを引き起こすと考えられている。同種はこの火ぶくれの内部に生息するが、暖かい時期に葉裏の開口部から外に出て新たな被害を及ぼすと推察されている。
葉の表裏両面にやや膨らむ火ぶくれ症状を呈し、被害が進むと黄色~暗褐色を呈するようになる。寄生密度が高いと寄生痕が重なりケロイド状になるが、早期落葉は見られない。また、長野県の病害虫発生予察特殊報では幼果の被害が報告されているが、熊本県の発生では果実の被害は確認されていない。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇火ぶくれ症状のある葉及び幼果は摘み取ってほ場外へ持ち出し埋却するなどして適切に処分する。
〇発生拡大を防ぐため、発生園地では穂木の採取を行わない。
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