【特殊報】にらにフシダニ科のダニ 県内で初めて確認 栃木県2023年9月4日
栃木県農業環境指導センターは、にらにフシダニ科の一種(Aceria sp.)の発生を県内で初めて確認。これを受けて、9月1日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
被害株。赤丸部は湾曲した奇形葉(左上)、葉の湾曲奇形化(右上)、
被害株。収穫後の株元(左下)、被害株の葉鞘内部。赤丸部は水疱状の隆起が発生(右下)
栃木県農業環境指導センターによると、2022年7月に栃木市内のにらほ場で、葉の一部が湾曲する被害が確認され(写真1、2)、被害株が農業環境指導センターに持ち込まれた。被害株を観察したところ、葉鞘内部及び一部の葉に水疱状の隆起が発生しており発生しており(写真3、4)、その中にフシダニ、その中にフシダニ科のダニの寄生が確認された(写真5)。
被害株を法政大学植物医科学センターが同定したところ、フシダニ科Aceria属に属するダニであるものの、チューリップやネギ属の植物から報告されているチューリップサビダニAceria tulipae等の種とは、外部形態や塩基配列が異なる別種のダニであることが判明した。
被害の特徴は主に、葉鞘部や葉の根元に寄生し、被害部位に水疱状の隆起が発生。同種の生息密度が高い場合、葉身にも水疱状の隆起が発生し、その表面が光沢を伴ったビロード状に変化する。また、被害部位からねじれるように湾曲、奇形化するため商品価値が失われる。上位葉の被害部位には同種の寄生がほとんど確認されないため、葉鞘内で発生した被害が葉の伸長に伴い上部に進展してきたものと考えられる。
今年7月、発生ほ場では、2年株の栽培ハウスで葉が湾曲する被害が散見された。また、育苗床及び1年株の栽培ハウスでは、葉鞘部に同種の寄生が確認されたものの、症状は確認されなかった。
成虫は体長約0.2ミリで、白色半透明のうじむし型。卵は同じく白色半透明の球型。同種は、国内のネギ属で確認されているフシダニ科Aceria属の既知種とは外部形態や塩基配列が異なる初確認の種で生態は不明。
葉鞘部に寄生するフシダニ(写真提供:栃木県農業環境指導センター)
同センターでは次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇現時点で同種に適用のある農薬はない。
〇同種の発生および被害の早期発見に努める。
〇被害が確認されたら速やかに株ごと除去して抜き取った株をビニール袋に詰めて嫌気的発酵処理し、完全に殺虫してから埋却するなどして処分する。
〇発生ほ場で使用した鎌等の農機具やトラクター等の農業機械は、これらを介して同種が移動分散する可能性があるため、使用後によく洗浄する。
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