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食と認知機能の関係性 1200人を対象に今後10年間調査 島津製作所など5者が共同コホート研究を開始2023年9月13日

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島津製作所、北海道江別市、北海道情報大学、農研機構、一般社団法人セルフケアフード協議会(SCFC)は9月12日、共同コホート研究「江別いきいき未来スタディ」を開始。同研究は、「軽度認知障害(MCI)の血液バイオマーカーの探索」「食を中心とした認知症重症化予防策の検討」「地域社会の街づくりと健康寿命の関係性の調査」を目的としている。

写真左:「血中アミロイドペプチド測定システム Amyloid MS CL」、写真右:「MCIスクリーニング検査プラス」にて用いる高速液体クロマトグラフ質量分析計「LCMS-8060NX写真左:「血中アミロイドペプチド測定システム Amyloid MS CL」、
写真右:「MCIスクリーニング検査プラス」にて用いる高速液体クロマトグラフ質量分析計「LCMS-8060NX

同研究では、4月1日時点で55歳以上75歳以下の北海道江別市民(最大1200人)に対して10年間にわたり血液バイオマーカーの測定を含む認知機能検査や体力測定のほか、食・生活習慣に関するアンケート調査を行う。自治体、大学、国立研究機関および民間企業によるアルツハイマー病の発症因子についての大規模な調査研究は、国内で初となる。

同研究の検査は年1度実施し、所要時間は約2時間。被験者の認知機能や心身の健康状態、生活習慣データを照合して、MCIの発症を予測する血液バイオマーカーや食を中心とする重症化予防策を検討する。

島津製作所は、「血中アミロイドペプチド測定システム Amyloid MS CL」や「MCIスクリーニング検査プラス」による血液バイオマーカー測定結果の解析および評価を担当。北海道情報大学は、モーションキャプチャーを用いた歩行動作評価など身体検査データを解析する。また、農研機構は、調査結果から食生活と認知機能の関係を研究し、認知機能を維持する栄養機能性成分を探索し、SCFCは会員企業である食品メーカーによる「江別いきいき未来スタディ」の知見に基づく食品開発を支援する。

認知症の約6割を占めるアルツハイマー病では、発症の約20年前から原因物質の1つであるアミロイドβの脳への蓄積が始まるとされる。認知機能の低下が見られるMCIは、認知症の前段階の症状と考えられているが、MCIの段階で適切な対応を取ることにより認知症の発症または重症化の予防が期待できる。

6月に島津製作所・江別市・北海道情報大学・農研機構・SCFCはMCI発症リスクを低減、予防する社会システムの構築への寄与を目的とした包括連携協定を締結。今後10年間にわたり最大1200名の健康状態や生活習慣の情報をデータベース化することで、食と認知機能の因果関係を究明する。

6月に認知症基本法が成立したことで、認知症を引き起こす因子の解明、予防のための基礎・臨床研究の普及がより推進されると見られる。5者は同研究を通じ、生活習慣の改善によるMCIの発症リスク低減に向け、食をはじめとしたセルフケアソリューションの社会実装を目指す。

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