【注意報】野菜類、花き類にオオタバコガ 県下全域で多発のおそれ 神奈川県2023年10月13日
神奈川県農業技術センターは、野菜類、花き類にオオタバコガが県下全域で多発のおそれがあるとして、10月13日に令和5年度病害虫発生予察注意報第4号を発令した。
神奈川県農業技術センターによると、同所病害虫防除部が三浦市、横浜市及び伊勢原市に設置しているフェロモントラップへの雄成虫誘殺数が全ての地点で9月下旬に急増し、平年より多く推移。三浦市と横浜市では、9月第1半旬から10月第1半旬の誘殺数が1996年以来最も多くなっている。伊勢原市では9月第5半旬に誘殺数が急増し、9月第5半旬から10月第1半旬の誘殺数が203.2頭と平年(97.6頭)の約2.1倍となっている。
県予察ほ(三浦市)では、フェロモントラップへの雄成虫誘殺数が9月第5半旬以降、平年より非常に多く推移しており、9月第5半旬から10月第2半旬までの誘殺数は525.0頭と平年(33.9頭)の約15.5倍。2004年に調査を開始して以来最も多くなっている。
気象庁が10月5日に発表した向こう1か月の気象予報は、気温が平年並か高いことから、次世代幼虫の発生に好適な条件にある。
オオタバコガは広食性で多くの作物を加害する。若齢幼虫は新葉や蕾、花、幼果に潜り食害するが、肥大した果実には潜らない。中齢以降の幼虫は、花、果実、葉の各部を食害し、キャベツやハクサイ等では結球部に、ブロッコリーやカリフラワー等では花蕾部に潜り食害する。幼虫は共食いが激しいので、結球部や花蕾での寄生は1頭の場合が多い。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇幼虫は結球部や花蕾等に潜り食害するため薬剤がかかりにくい。また、幼虫の齢期が進むほど薬剤感受性が低下するため、ほ場をよく観察し、寄生や被害を確認した場合には直ちに薬剤防除を行う。各種作物のオオタバコガに適用のある防除薬剤例は表の通り。なお、農薬使用の際は必ずラベルの記載事項を確認し、使用基準を遵守する。
〇抵抗性を発達させないために、同じ系統の薬剤は連用せず、異なる系統の薬剤をローテーション散布する。
〇施設栽培では開口部を防虫ネットで覆い、成虫の侵入を防止する。
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