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【特殊報】トマトキバガ 府内で初めて確認 京都府2023年10月13日

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京都府病害虫防除所は、トマトキバガの発生を京都府内で初めて確認。これを受けて、10月12日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。

写真1:誘殺されたトマトキバガ成虫(写真提供:京都府病害虫防除所)写真1:誘殺されたトマトキバガ成虫(写真提供:京都府病害虫防除所)

京都府病害虫防除所によると、9月28日に京都府北部の野菜畑に設置したトマトキバガ侵入調査用フェロモントラップにトマトキバガと疑われる雄成虫が捕獲された(写真1)。農林水産省神戸植物防疫所に同定を依頼したところ、府内では未発生のトマトキバガと同定された。また、10月5日と6日、京都府南部及び中部に設置したフェロモントラップでも同種の誘殺を認めた。

トマトキバガは、2021年に熊本県の施設トマトにおいて国内で初めて発生が確認された。以降10月11日現在、国内27道県で発生が確認されている。

トマトキバガはチョウ目キバガ科に属し、成虫は、翅を閉じた静止時で体長5~7ミリ(前翅長約5mm、開張約10mm)。前翅は灰褐色の地色に黒色斑が散在し、後翅は一様に淡黒褐色。幼虫は、終齢で体長約8ミリ。体色は淡緑色~淡赤白色で、頭部は淡褐色、前胸の背面後方に細い黒色横帯がある。

年に複数の世代が発生し、繁殖力が高い。発生世代数は環境条件によって異なり、地域によって差はあるが、年に10~12世代発生する地域もある。卵~成虫になるまでの期間は24~38日程度で、気温が低い時期はさらに延びる。成虫は夜行性で、日中は葉の間に隠れていることが多く、雌は一生のうち平均で約260個の卵を寄主植物の葉の裏面などに産み付ける。

主な寄主植物はトマト、ナス、ピーマン、トウガラシ、バレイショ等のナス科植物で、マメ科植物のインゲンマメも寄主植物として確認。トマトでの被害は、茎葉では内部に幼虫が潜り込んで食害し、孔道が形成される。食害部分は表面のみを残して薄皮状になり、白~褐変した外観となる。果実では、幼虫がせん孔侵入して内部組織を食害するため、果実表面に数ミリ程度のせん孔痕が生じるとともに食害部分の腐敗が生じ果実品質が著しく低下する。

表:「トマト」、「ミニトマト」でトマトキバガに登録のある農薬 (10月11日現在)

同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

〇ほ場内をよく見回り、見つけ次第捕殺する。

〇トマトキバガの発生が疑われた場合は、速やかに最寄りの農業改良普及センター、病害虫防除所に連絡する。

〇発生を拡大させないため、薬剤散布を行うとともに、被害葉や被害果実はほ場に放置せず、速やかに土中に深く埋没するか、ビニル袋などに入れて一定期間密閉し、寄生した成幼虫を全て死滅させ、適切に処分する。

〇10月1日現在のトマトキバガに対する登録農薬は表のとおり。なお、薬剤散布にあたっては、最新の農薬登録情報を確認し、薬剤抵抗性の発達を防ぐため系統が異なる薬剤のローテーション散布を行う。

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