茎枯病抵抗性のアスパラガス新品種「あすたまJ」育成 農研機構2023年10月27日
農研機構、香川県、東北大学および九州大学は共同で、アスパラガス新品種「あすたまJ」を育成。難防除病害であるアスパラガス茎枯病くきがれびょうに抵抗性を有する日本固有種「ハマタマボウキ」と、アスパラガスの種間雑種で、茎枯病に対して、既存のアスパラガス品種の中では類のない高いほ場抵抗性を有することから、国内のアスパラガスの露地栽培に飛躍的な収量向上をもたらす品種として期待される。
新品種「あすたまJ」の草姿
アスパラガス茎枯病(茎枯病)は、国内のアスパラガス露地栽培において、大幅な減収や廃耕など甚大な被害をもたらす、最も深刻な病害。これまで、アスパラガス(Asparagus officinalis L.)種内には茎枯病に実用的な抵抗性を示す品種や育種素材がなかったため、抵抗性品種の育成は難しかった。しかし、近年ではアスパラガスと同属の日本固有種であるハマタマボウキ(Asparagus kiusianus Makino)が茎枯病抵抗性を有すること、かつアスパラガスとの交雑が可能なことが明らかになり、茎枯病抵抗性品種育成への道が開けた。
新品種「あすたまJ」の食用部(長さ25cm)
そこで、農研機構、香川県、東北大学と九州大学は共同で、アスパラガスとハマタマボウキの種間交雑により、茎枯病に対する高いほ場抵抗性を有するアスパラガス品種「あすたまJ」を育成した。同品種は、茎枯病の防除を目的にビニールハウス等の施設を利用した栽培が一般的であった温暖地でも、露地栽培が可能。また、名称については、アスパラガスとハマタマボウキの種間雑種であることから、アスパラガスの「アス」とハマタマボウキの「タマ」からとった「あすたま」に。また、日本固有種を親に持ち、日本のオリジナル性が高いことからJapanのJを付し、「あすたまJ」と命名した。
今後、オープンイノベーション研究・実用化推進事業課題での現地実証試験を進め、令和10年頃には生産者へ原種苗の提供を予定。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(127)-改正食料・農業・農村基本法(13)-2025年2月1日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(44)【防除学習帖】第283回2025年2月1日
-
農薬の正しい使い方(17)【今さら聞けない営農情報】第283回2025年2月1日
-
2024年の農業就業者は180万人 前年比7万人減 総務省・労働力調査2025年1月31日
-
備蓄米の買い戻し条件付き売り渡しを諮問 農水省が食糧部会に2025年1月31日
-
殺処分対象911万羽 鳥インフルエンザ 国内48例目 愛知県で確認2025年1月31日
-
"人財"育てチームで改革(1) JAみえきた組合長 生川秀治氏【未来視座 JAトップインタビュー】2025年1月31日
-
"人財"育てチームで改革(2) JAみえきた組合長 生川秀治氏【未来視座 JAトップインタビュー】2025年1月31日
-
【世界の食料・協同組合は今】EU環境戦略の後退と戦略的対話 農中総研・平澤明彦氏2025年1月31日
-
【クローズアップ 畜産・酪農対策】生乳需給参加が事業要件 「欠陥」改正畜安法是正へ農水省方針2025年1月31日
-
(420)「いまトラ」をどう見るか【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年1月31日
-
GI取得「かづの牛」など農産物・加工品6産品 農水省2025年1月31日
-
いちご観光農園「熊本あしきた いちごの森」オープン 「ゆうべに」「恋みのり」食べ放題 JAあしきた2025年1月31日
-
シャキッと甘く 高級かんきつ「甘平」出荷始まる JAえひめ中央2025年1月31日
-
全国の魅力的な農畜産物・加工品が勢ぞろい JA全農が商談会2025年1月31日
-
岩手県から至高の牛肉を「いわて牛・いわちくフェア」2月1日から開催 JA全農2025年1月31日
-
「国産米粉メニューフェア」銀座みのりカフェ・みのる食堂で開催 JA全農2025年1月31日
-
「はこだて和牛」など味わえる「JA新はこだてフェア」2月1日から開催 JA全農2025年1月31日
-
「ニッポンの食」で応援 全日本卓球選手権大会(ダブルスの部)に特別協賛 JA全農2025年1月31日
-
蔵出しミカンの出荷始まる 食味良く大玉傾向 JAふくおか八女2025年1月31日