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【特殊報】ピーマンに ピーマンえそ環紋病 県内で初めて確認 茨城県2023年12月4日

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茨城県病害虫防除所は、ピーマンえそ環紋病の発生を県内で初めて確認。これを受けて、11月30日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。

左から、写真1:生長点付近の退緑、萎縮、えそ症状、写真2:葉の輪紋、えそ症状、写真3:葉、茎のえそ症状(3点写真提供:茨城県農業総合センター園芸研究所)左から、写真1:生長点付近の退緑、萎縮、えそ症状、写真2:葉の輪紋、えそ症状、
写真3:葉、茎のえそ症状(3点写真提供:茨城県農業総合センター園芸研究所)

茨城県病害虫防除所によると、7月に県内の施設栽培ピーマン圃場で、生長点付近が退緑、萎縮し、葉に輪紋、えそ症状、茎にえそ症状を示す株の発生を確認した(写真1~3)。

茨城県農業総合センター園芸研究所により、現地から採集した株の病斑部組織についてRT-PCR法によって増幅したDNA断片の塩基配列を解析した結果およびピーマン葉への接種により輪紋病斑が再現されたことから、茨城県では未発生のトマト環紋ウイルス(TZSV)によるピーマンえそ環紋病と確認された。

同県において、現在のところ当該圃場以外での発生は確認されていない。

同ウイルスは中国で初めて発生が確認され、国内では2022年に神奈川県のピーマンで、同本ウイルスによる病害が初めて確認されている。茨城県での発生は国内2例目となる。

病原ウイルスは、Orthotospovirus属に属し、アザミウマ類によって媒介されると考えられている。媒介種について国内での知見はないが、中国ではミカンキイロアザミウマが主な媒介種とされる。国内ではピーマンでのみ発生が確認されているが、中国ではトマト、トウガラシ、バレイショ、タバコ、ハマユウ(Crinumasiaticum)などでの自然感染が報告されている。

同病は、生長点付近に退緑、萎縮、えそ症状、葉の輪紋、えそ症状、茎のえそ症状を呈する。症状が進むと落葉する場合がある。

表:ピーマンのアザミウマ類に登録のある主な薬剤

同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

〇発病が認められた株は伝染源となるため、速やかに抜き取ってビニール袋等に入れて密封し、株を腐らせてから処分する。

〇施設栽培では、施設開口部に防虫ネットを設置し、アザミウマ類の施設内への侵入およびハウス外への飛び出しを防止する。また、育苗時は、苗を防虫ネットでトンネル被覆する等、アザミウマ類の侵入防止を徹底する。

〇表を参考に育苗期からアザミウマ類の防除を徹底する。薬剤散布は、薬液が花や果実にもかかるように十分な量で丁寧に行う。なお、薬剤抵抗性の発達を抑えるため、IRACコードの異なる薬剤をローテーション散布する。

〇雑草は、アザミウマ類の生息場所となるため、圃場内外の除草を徹底する。

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