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飼料用トウモロコシ新品種「トレイヤ」開発 高い雌穂収量でサイレージから子実用まで利用可能 農研機構2024年1月11日

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農研機構は、雌穂収量が高く、サイレージから子実用まで幅広く利用可能な飼料用トウモロコシ新品種「トレイヤ」を開発した。同品種は、病害に強く、倒れにくいことから、北海道内の普及対象地域でのトウモロコシ作付けの増加、良質サイレージ原料の安定栽培および生産性向上につながる。

ほ場での「トレイヤ」の草姿(左)と雌穂(右)、飼料としての利用部位ほ場での「トレイヤ」の草姿(左)と雌穂(右)、飼料としての利用部位

輸入飼料価格高騰の情勢もあり、牛や豚、鶏などの家畜の餌となる自給飼料生産の基幹作物である飼料用トウモロコシの国内での増産が望まれている。また、トウモロコシは部位ごとに用途が異なるが、粗飼料であるホールクロップサイレージ(WCS)利用に加え、近年、濃厚飼料であるイアコーンサイレージや子実とうもろこしなどとしての利用への機運が高まっている。こうした飼料用トウモロコシの作付け拡大は、日本の飼料自給率向上に大きくつながる。

そこで農研機構は、サイレージから子実まで幅広い利用が可能な飼料用トウモロコシ新品種「トレイヤ」(旧系統名「北交97号」)を開発した。

トレイヤは、雌穂収量および乾燥子実収量は標準品種よりも高いことから、雌穂や子実のみを利用するECSや子実とうもろこしとしての利用に適している。WCS利用では、比較の基準となる標準品種と同等の収量を示し、乾物中TDN割合が高く、良好なサイレージを生産できる。また、葉が枯れることで光合成能力が低下し、収量に影響を与えるトウモロコシの重要病害のすす紋病やごま葉枯病にも強く、カビ毒が問題となる赤かび病の接種試験でも、発病面積が小さく抑えられるという結果を示した。さらに、近年北海道でも増加傾向にある台風や強風による倒伏被害に対しても、強い耐性を持つ。

北海道道央北部、十勝中部、網走内陸地域でのWCS利用に加え、北海道道央中部以南、道南地域でのECS、子実とうもろこしなどの雌穂利用型としても利用可能。種子の供給は、最短で2027年から、民間の種苗会社や農協等を通じて開始予定。

北海道内栽培適地での自給飼料の増産が図られるよう普及を目指す。

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