【特殊報】ナスにフタテンミドリヒメヨコバイ 県内で初めて確認 岡山県2024年1月15日
岡山県病害虫防除所は、ナスにフタテンミドリヒメヨコバイの発生を県内で初めて確認。これを受けて、1月4日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
図1:黄化・萎縮した被害葉(写真提供:岡山県病害虫防除所)
岡山県病害虫防除所によると、2023年11月に県南部の施設ナスほ場において、葉が黄化、萎縮、奇形を呈する症状が確認され、被害葉上にて翅末端に一対の黒点があるヨコバイが確認された(図1~3)。ほ場から虫体を採集し、農林水産省神戸植物防疫所に同定依頼したところ、岡山県ではこれまで未確認のフタテンミドリヒメヨコバイであることが判明した。
図2:生長点の奇形(写真提供:岡山県病害虫防除所)
国内ではこれまでに、沖縄県のオクラで発生が確認されているほか、2005年に東京都小笠原諸島のナス、オクラ、ハイビスカス、2020年に熊本県のオクラ、2021年に高知県のナス、2022年に徳島県のオクラ、2023年に宮崎県のオクラでの発生が確認されている。
成虫は体長2.7~3.2ミリ。頭胸部は黄緑色で、翅の末端近くに一対の黒点がある。終齢幼虫は体長2.4~3.2ミリ。全身がほぼ黄緑色で、翅芽(翅原基)に一対の黒点がある。
同種は年間で7世代発生するとされており、沖縄での発生は5~10月で、特に7~8月に多発する。雌成虫は、葉脈に黄白色の卵を一度に15卵ほど産卵する。卵はふ化直前に灰色がかった黄色になる。卵は4~11日でふ化し、幼虫期間は7~21日、成虫の寿命は35~50日。幼虫、成虫ともに新葉や茎から吸汁する。葉の黄化、萎縮、奇形を呈し、成長が抑制される。
図3:フタテンミドリヒメヨコバイの成虫(写真提供:岡山県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇現時点で、ナスにおいてフタテンミドリヒメヨコバイに適用登録のある農薬はない。
〇成虫の侵入を防ぐために、開口部に2ミリ目以下の防虫ネットを設置する。
〇収穫残さは発生源となるため、収穫後は圃場外の土中に埋没するなど、早期に適切に処分する。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(127)-改正食料・農業・農村基本法(13)-2025年2月1日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(44)【防除学習帖】第283回2025年2月1日
-
農薬の正しい使い方(17)【今さら聞けない営農情報】第283回2025年2月1日
-
2024年の農業就業者は180万人 前年比7万人減 総務省・労働力調査2025年1月31日
-
備蓄米の買い戻し条件付き売り渡しを諮問 農水省が食糧部会に2025年1月31日
-
殺処分対象911万羽 鳥インフルエンザ 国内48例目 愛知県で確認2025年1月31日
-
"人財"育てチームで改革(1) JAみえきた組合長 生川秀治氏【未来視座 JAトップインタビュー】2025年1月31日
-
"人財"育てチームで改革(2) JAみえきた組合長 生川秀治氏【未来視座 JAトップインタビュー】2025年1月31日
-
【世界の食料・協同組合は今】EU環境戦略の後退と戦略的対話 農中総研・平澤明彦氏2025年1月31日
-
【クローズアップ 畜産・酪農対策】生乳需給参加が事業要件 「欠陥」改正畜安法是正へ農水省方針2025年1月31日
-
(420)「いまトラ」をどう見るか【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年1月31日
-
GI取得「かづの牛」など農産物・加工品6産品 農水省2025年1月31日
-
いちご観光農園「熊本あしきた いちごの森」オープン 「ゆうべに」「恋みのり」食べ放題 JAあしきた2025年1月31日
-
シャキッと甘く 高級かんきつ「甘平」出荷始まる JAえひめ中央2025年1月31日
-
全国の魅力的な農畜産物・加工品が勢ぞろい JA全農が商談会2025年1月31日
-
岩手県から至高の牛肉を「いわて牛・いわちくフェア」2月1日から開催 JA全農2025年1月31日
-
「国産米粉メニューフェア」銀座みのりカフェ・みのる食堂で開催 JA全農2025年1月31日
-
「はこだて和牛」など味わえる「JA新はこだてフェア」2月1日から開催 JA全農2025年1月31日
-
「ニッポンの食」で応援 全日本卓球選手権大会(ダブルスの部)に特別協賛 JA全農2025年1月31日
-
蔵出しミカンの出荷始まる 食味良く大玉傾向 JAふくおか八女2025年1月31日