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農業用ドローン2機を同時飛行 千葉県東庄町10haの圃場で検証 国際ドローン協会2024年1月22日

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(一社)国際ドローン協会は1月15日、農業用ドローンの性能に関する実証実験を千葉県香取郡東庄町で実施。DJI社製の農業用ドローン「T30」の2機同時飛行の散布能力とDJI社から2023年11月に日本でリリースされた農業用ドローン「T25」の散布能力を、10ヘクタールの圃場で検証した。

完全自動飛行による2機同時散布を検証(15日、千葉県香取郡東庄町)完全自動飛行による2機同時散布を検証(15日、千葉県香取郡東庄町)

実証実験は、東庄町が推進するドローンを利用した農業DX事業の一旦を担う実証実験として、岩田利雄町長の立ち合いのもと同町の農家の協力を得て、10ヘクタールの広大な圃場で行われた。圃場への散布時間や薬剤補充量・回数及びバッテリー交換回数等を検証。実証実験のために事前準備としてドローンによる航空測量を行い、自動飛行のマップを作成。完全自動飛行による2機同時散布を検証した。

当日のパイロットや監視員には、2022年12月から制度化されたドローンの国家資格である、一等無人航空機操縦士の国家資格を取得した人員のみを選定し万全の体制で実施。今後、国際ドローン協会が請け負うドローンの空中散布のパイロットは、全て一等無人航空機操縦士の取得者に限られる。法律では、一等無人航空機操縦士を取得していなくてもドローンによる空中散布は可能だが、一等無人航空機操縦士はドローンの高い飛行技術と運用知識を取得しているという今後のスタンダードと言える制度のため、同協会では全国に先駆けてこうした取り組みを導入し、安全性を第一に考慮した体制を作っている。

DJI T30の2機同時飛行

DJI社製の農業用ドローンT30には1つの送信機で複数の機体を操縦することが可能だが、航空法上の制約や2機同時に操縦できるパイロットの技量など難易度が高い飛行であるため今まで実施されなかった。今回は、1機のみの飛行と比べて倍の面積を散布できることを確認。効率的な散布を行うための飛行ルート設定や送信機の接続状況等さらなる効率化への課題を確認した。

一方、DJI社から2023年11月に日本でリリースされたばかりの農業用ドローンT25は、従来機種と比べて様々な面で進化しており、この機体の能力を検証するため株式会社セキドが協力。従来より高効率な散布能力、農業機単体による航空測量と自動飛行、進化した安全機能による障害物検知と回避等の機能を確認し10ヘクタールに散布し、従来機と比較して短時間で散布を終えることができることを確認した。

実証実験に立ち会った東庄町の岩田利雄町長(右)と国際ドローン協会代表理事の榎本幸太郎氏実証実験に立ち会った東庄町の岩田利雄町長(右)と国際ドローン協会代表理事の榎本幸太郎氏

国際ドローン協会は今後、東庄町でのドローン集団防除を行う予定。散布範囲は約1000ヘクタールで、これはドローンによる防除としては、日本最大規模の散布範囲となる。

東庄町は、ドローンによる散布を推進しており、2023年に開設した東庄町ドローンパークをドローンの拠点としてドローンによる散布事業、ドローン整備事業、ドローン人材育成のための一等及び二等無人航空機操縦士の取得が可能な国土交通省登録講習機関を備えた施設を擁する。今回の検証結果は、日本最大規模の散布を効率的に行うために活用される。

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