水田用自動抑草ロボット「アイガモロボ」抑草効果を実証 農研機構2024年1月24日
農研機構、有機米デザイン、東京農工大学、井関農機の4者は、水田用自動抑草ロボット「アイガモロボ」の抑草効果を確認する実証試験を全国36か所で実施。その結果、アイガモロボの使用により、雑草の発生量が水稲の収量に影響を及ぼさない程度に抑えられることを確認した。また、アイガモロボを導入しない場合と比べ収量は平均10%増加し、機械除草の回数が58%減少したことから、水稲有機栽培における省力的な雑草防除技術としての活用が期待される。
水田で稼働中のアイガモロボ
化学合成農薬を使わない水稲有機栽培では、雑草防除に係る作業時間と作業負荷がとても大きく、雑草害が主要な減収要因となることから、省力的かつ安定的な雑草防除技術の開発が求められている。そこで、4者は、太陽光を動力源としてGPSで水田内を自動走行し、雑草の出芽や生育を抑制すると考えられている水田用自動抑草ロボット「アイガモロボ」の雑草抑制効果と水稲収量への影響を2か年計36か所(秋田~鹿児島)の水稲有機栽培生産者ほ場で検証した。
アイガモロボはアイガモを用いたアイガモ農法(除草)に着想を得て開発され、効果が不安定なアイガモの代替として活用が期待されている。アイガモロボを導入したほ場の幼穂形成期1における平均の推定雑草乾物重2)は16.6g/m2で、水稲の収量には影響しない程度だった。また、アイガモロボの使用により、生産者が従来から取り組む有機栽培(主に複数回の機械除草)と比較して、機械除草回数は平均で58減少。水稲平均収量(424kg/10a)は10%増加した。
以上のことから、アイガモロボは除草労力を削減しながら水稲有機栽培の収量を確保する新たな雑草対策ツールとして有効であると考えられる。一方、実証試験全体の3割程度でアイガモロボが正常に稼働しない事例も確認された。アイガモロボを水田で安定的に稼働させるためにはほ場水位を一定以上に保つ必要があり、ほ場の均平化や用水の安定供給が重要な導入条件として挙げられる。
今後は、アイガモロボの雑草防除メカニズムや水稲収量の増加に寄与した要因を解明し、ほ場の立地やサイズ等に応じた効果的なアイガモロボの運用法や適用条件等を明らかにしていく。
重要な記事
最新の記事
-
「地域と食を守る農政が筋」 国民民主党衆院・玉木雄一郎議員に聞く(2)2024年12月25日
-
加工原料乳生産者補給金 0.23円増の11.90円/kg 黒毛和種保証基準価格 1万円引き上げ 2025年度畜産物価格2024年12月25日
-
【小松泰信・地方の眼力】輸入米で輸入するもの2024年12月25日
-
生乳の需給調整 全国的な取り組み促進 補助事業とのクロスコンプライアンス導入 農水省2024年12月25日
-
輸入米「争奪戦」過熱 SBS入札で7年ぶり完売 業務用で引き合い強く小売にも2024年12月25日
-
1位の北海道 前年比4.3%増の1兆3478億円 23年の都道府県別農業産出額 農水省2024年12月25日
-
農業総産出額 5.5%増加 9兆4991億円 農水省2024年12月25日
-
鳥インフル ポーランドからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年12月25日
-
第12回「食品産業もったいない大賞」AIとビッグデータ活用の食品ロス削減に農水大臣賞2024年12月25日
-
2月4日に新春の集い 袴田ひで子さん、むすびえ・湯浅誠理事長、伊那食品工業・塚越寛最高顧問が講演2024年12月25日
-
ふるさと納税サイトで「見える化」特集ページ「みえるらべる」全国へ拡大 農水省2024年12月25日
-
「農山漁村」経済・生活環境創生プロジェクト始動 農水省2024年12月25日
-
「JAヨリアイin東京2024」 「対話する協同組合が生み出すもの」を考える2024年12月25日
-
農・食の魅力を伝える「JAインスタコンテスト」グランプリは「JAふくしま未来とJA幕別町2024年12月25日
-
「NHK歳末たすけあい」へ寄付 JA全農2024年12月25日
-
【役員人事】ヤマハ発動機(2025年3月下旬)2024年12月25日
-
【役員人事】フタバ産業(2025年1月1日付)2024年12月25日
-
【人事異動】フタバ産業(2025年1月1日付)2024年12月25日
-
村上農園 12年ぶりの「豆苗」新CM 家族で楽しむ定番レシピを提案2024年12月25日
-
新潟市西蒲区でオリジナル「おにぎりコンテスト」開催2024年12月25日