【特殊報】キュウリにCABYV 国内で初めて発生報告 京都府2024年2月2日
京都府病害虫防除所は、キュウリに「Cucurbit aphid-borne yellows virus:CABYV」を国内で初めて確認。これを受けて、2月1日に令和6年病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
京都府病害虫防除所によると、2023年7月に京都府南部の露地キュウリほ場で、葉に退緑および黄化症状を示す株が認められた。京都府生物資源研究センターにおいてRT-PCR法による検定及びRT-PCRの増幅産物の塩基配列解析から、CABYVの感染を確認した。同ウイルスの発生報告は、国内では初めて。
左から、図1:半分が黄化した葉、 図2:全体が黄化した葉、
図3:ほ場での発生の様子(3点・写真提供:京都府病害虫防除所)
病徴としては、中位葉において、葉の半分程度に退緑及び黄化症状が発生する(図1)。さらに、症状が進むと葉全体が黄化する(図2)。
同ウイルスは、ソレモウイルス科ポレロウイルス属に属し、1988年にフランスにおいて、キュウリ、ズッキーニ、カボチャ及びメロンで初めて発生が確認され(Lecoq et al., 1992)、以降、海外45か国で主にウリ科野菜に被害を及ぼしている。
国内での同ウイルスの媒介虫は不明。フランスなど海外では、ワタアブラムシ等のアブラムシ類が媒介虫であるとされている。汁液、種子及び土壌伝染は確認されていない。
媒介虫は、罹病植物を吸汁することで本ウイルスを保毒し、一度ウイルスを獲得すると永続伝搬するが、経卵伝染はしない。若い株が感染すると着花不良によって収量が大きく低下し、キュウリでは最大50%減収する事例が海外では報告されている(Lecoq et al., 1992)。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇発病株は直ちに抜き取り、ポリ袋等に密閉してほ場外に持ち出し適切に処分する。
〇国内での媒介虫は不明だが、海外の情報からアブラムシ類の防除を徹底する。
①苗からアブラムシ類を持ち込まないよう注意する。
②施設の開口部に0.8ミリ目以下の防虫ネットを展張し、アブラムシ類の侵入を防ぐ。
③ほ場周辺の雑草は発生源となるため、除草を徹底する。
④ほ場周辺にアブラムシ類を分散させないため、栽培終了後には全株を地際から切断または抜根し、施設を密閉して死滅させる。
⑤アブラムシ類の薬剤感受性の低下を防ぐため、同一グループの薬剤の連用を避ける。
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