農業用開水路などの摩耗調査 省力化するプログラムを開発 農研機構2024年3月7日
農研機構は、農業用開水路等の摩耗劣化の調査に関して、農林水産省のマニュアルに掲載されている調査方法に準拠した解析作業を大幅に省力化するプログラムを開発した。画像解析が自動化されることで、従来の手作業による解析作業と比べて省力化でき、調査精度の向上にも貢献する。農研機構の許諾を受けることで利用できる。
図:摩耗調査の作業手順
農業水利施設は、長年にわたって農業用水を供給し続けており、水が流れることで生じる摩耗劣化が問題になっている。摩耗すると施設の耐久性の低下に加えて表面に凹凸が生じて水の流れが悪くなり、水を適切に送れなくなるおそれがある。そのため、農水省では、水を流す性能が大きく低下する前に、補修して性能を回復する予防保全の取り組みを進めている。
そこで、補修の時期を検討するために、摩耗による性能低下の程度を調べる方法が必要となることから、農研機構は過去に摩耗量を簡単に測定するための方法を提案している。この方法は、農水省の「農業水利施設の補修・補強工事に関するマニュアル【開水路編】」に掲載され、実際の水路の摩耗調査で用いられてるが、その作業の一部を手作業で行うため、調査・分析の手順に時間がかかること、画像解析に個人差が生じることが課題となっていた。
この課題を解決するため、農研機構は、画像解析を自動化するプログラムを開発。画像解析から結果の表示までを自動化することで解析時間がほぼゼロとなり、作業時間を大幅に短縮する。また、解析の個人差を解消することで、分析結果の精度も向上する。
同プログラムは、市販の表計算ソフトウェアがあれば使用できる。2023年12月から公開しており、許諾により一般も利用可能。同プログラムを活用することで、より多くの精度の高いデータを蓄積し、農業水利施設の劣化に迅速かつ正確に対応することが期待される。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(150)-改正食料・農業・農村基本法(36)-2025年7月12日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(67)【防除学習帖】第306回2025年7月12日
-
農薬の正しい使い方(40)【今さら聞けない営農情報】第306回2025年7月12日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 茨城県2025年7月11日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 新潟県2025年7月11日
-
【注意報】果樹に大型カメムシ類 果実被害多発のおそれ 北海道2025年7月11日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 福島県2025年7月11日
-
【注意報】おうとう褐色せん孔病 県下全域で多発のおそれ 山形県2025年7月11日
-
【第46回農協人文化賞】出会いの大切さ確信 共済事業部門・全国共済農協連静岡県本部会長 鈴木政成氏2025年7月11日
-
【第46回農協人文化賞】農協運動 LAが原点 共済事業部門・千葉県・山武郡市農協常務 鈴木憲氏2025年7月11日
-
政府備蓄米 全農の出荷済数量 80%2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA加賀(石川) 道田肇氏(6/21就任) ふるさとの食と農を守る2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA新みやぎ(宮城) 小野寺克己氏(6/27就任) 米価急落防ぐのは国の責任2025年7月11日
-
(443)矛盾撞着:ローカル食材のグローバル・ブランディング【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月11日
-
【2025国際協同組合年】協同組合の父 賀川豊彦とSDGs 連続シンポ第4回第二部2025年7月11日
-
米で5年間の事前契約を導入したJA常総ひかり 令和7年産米の10%強、集荷も前年比10%増に JA全農が視察会2025年7月11日
-
旬の味求め メロン直売所大盛況 JA鶴岡2025年7月11日
-
腐植酸苦土肥料「アヅミン」、JAタウンで家庭菜園向け小袋サイズを販売開始 デンカ2025年7月11日
-
農業・漁業の人手不足解消へ 夏休み「一次産業 おてつたび特集」開始2025年7月11日
-
政府備蓄米 全国のホームセンター「ムサシ」「ビバホーム」で12日から販売開始2025年7月11日