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植物の精細胞放出を制御する簡便な方法を開発 横浜市立大2024年3月22日

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横浜市立大学 木原生物学研究所の杉直也特任助教、丸山大輔准教授らを中心とした研究グループは、青色光(ブルーライト)を照射するという簡便な操作で効率的に花粉管の破裂を誘導できることを発見した。

図1 青色光照射による花粉管破裂誘導 野生型シロイヌナズナの花粉管に対して青色光照射を開始してからの継時変化。矢尻は破裂した花粉管を示す。1 分以内に約半数という高い効率で花粉管破裂を誘導できた。図1 青色光照射による花粉管破裂誘導
野生型シロイヌナズナの花粉管に対して青色光照射を開始してからの継時変化。矢尻は破裂した花粉管を示す。
1 分以内に約半数という高い効率で花粉管破裂を誘導できた。

種子を作る多くの植物の精細胞は自ら泳ぐことができず花粉管の内部を輸送される。精細胞は卵細胞の近くまで到達した花粉管の先端が破裂することで放出され、放出された精細胞は活性化のステップを経て卵細胞との受精が可能となる。生体内においてこの花粉管破裂は厳密に制御されているが、その全容は明らかになっておらず、人為的な花粉管破裂の制御にも技術的な課題が多かった。

同研究では、青色光を照射するという非常に簡便な操作で花粉管破裂を効率的に誘導する方法論を確立。効率的な花粉管破裂誘導法の開発により、花粉管破裂直後に素早く起こる精細胞活性化機構の解析への新たな道が開けた。これは、植物独自の重複受精の仕組みの解明に貢献するもの。さらに、花粉管破裂異常が原因で交雑できない種間の雑種形成を通した有用作物開発などへの展開も期待できる。

同研究成果は3月12日、植物専門誌『Plant and Cell Physiology』に掲載された。

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