【注意報】さとうきびにカンシャワタアブラムシ 八重山群島で多発のおそれ 沖縄県2024年3月28日
沖縄県病害虫防除技術センターは、さとうきび(夏植え)にカンシャワタアブラムシが八重山群島で多発のおそれがあるとして、3月26日に令和5年度病害虫発生予察注意報第8号を発令した。
沖縄県病害虫防除技術センターによると、石垣島における3月中旬の新植夏植えほ場調査の結果、寄生株率は22.4%(前年:0.0%、平年:3.3%)、発生ほ場率は100%(前年:0.0%、平年:35.0%)で、平年と比べ多発生となった。
図1:成虫(無翅虫)(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
図2:綿状のワックスを分泌(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
カンシャワタアブラムシは、年十数世代を繰り返す。発生は4~5月に最も多く、また10~11月にも発生のピークがある。同種は無翅虫が綿状の白いワックスを背面から分泌し(図1、2)、さとうきび葉裏に密なコロニーを形成する(図3)。
図3:葉裏に寄生してコロニーを形成(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
成・幼虫(図4)が葉裏一面に群棲して吸汁被害を与える。大発生すると排出された甘露によってすす病を併発するため葉が黒変し(図5)、さとうきびの発育が遅延する。秋に多くの有翅虫(図6)が新植夏植えほ場に定着し、翌春の発生の原因となる。
図4:幼虫(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
図5:葉に発生したすす病(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
図6:成虫(有翅虫)と幼虫(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇春の発生を抑えるため、新植夏植えの発生ほ場での薬剤防除を徹底する。
〇薬剤は葉裏にかかるよう丁寧に散布する。
〇多発生時は有翅虫による移動分散が絶えず起こるため、一斉防除を行うことが望ましい。
〇収穫予定のさとうきびほ場や近隣作物へ薬剤がドリフト飛散しないよう注意する。
〇天敵であるマエウスジロマダラメイガの密度が高い場合は自然に発生が収まるため、薬剤散布を控えて生物防除を行う(図7)。
図7:マエウスジロマダラメイガの幼虫(天敵)(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
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