新規需要米に適した水稲新品種「あきいいな」育成 耐病性が優れ安定生産が可能に 農研機構2024年3月28日
農研機構は、葉いもちに強く、耐倒伏性が優れる水稲新品種「あきいいな」を育成した。「あきいいな」は、多収品種「ホシアオバ」と同等の収量性で西日本の主力品種「ヒノヒカリ」より約2 割多収。「ホシアオバ」より早く「ヒノヒカリ」並の熟期で、暖地および温暖地西部の平坦地での栽培に適する。「あきいいな」を導入することで新規需要米の低コストで安定的な生産が期待される。
主食用米の国内需要量減少にともなう需給および価格の安定を図る対策の一環として、農地の有効利活用と農業所得の向上を図るため、農林水産省では、米粉用や飼料用など新規需要米向け多収品種の作付けを推進している。これら多収品種は、肥料投入量を増やすことで一般品種より大幅な収量増大が可能であるため、品種の特性に応じて十分な施肥を行うことで生産コストの低減ができる。
「あきいいな」の株標本。左から「あきいいな」、「ホシオアバ」、「ヒノヒカリ」
しかし、窒素を多施用すると、いもち病などの病虫害や倒伏が発生しやすく、収量の減少、防除コストの増加、作業効率の低下が問題となる可能性がある。そこで、農研機構は、飼料用多収系統と耐病性の優れた主食用品種との交配組み合わせから新品種「あきいいな」を育成した。「あきいいな」は、いもち病に強く、縞葉枯病に抵抗性があり、耐倒伏性に優れ、玄米収量が新規需要米向け多収品種「ホシアオバ」と同等で西日本の主力品種「ヒノヒカリ」より2割程度多収。新規需要米の低コストで安定的な生産に貢献することが期待される。
今後、品種利用許諾先で2024年度に種子増殖を行い、2025年度から生産者へ種子の提供を予定している。
重要な記事
最新の記事
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(2)今後を見据えた農協の取り組み 営農黒字化シフトへ2025年1月23日
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(3)水田に土砂、生活困惑2025年1月23日
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(4)自給運動は農協運動2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(1)2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(2)2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(3)2025年1月23日
-
元気な地域をみんなの力で 第70回JA全国女性大会2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(1)新しい仲間との出会い 次世代へつなげるバトン 青森県 JA八戸女性部 坂本順子さん2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(2)この地域を、次世代に繋ぐ、私たち 山梨県 JA南アルプス市女性部 保坂美紀子さん2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(3)私たちの力で地域をささえ愛 愛知県 JA愛知東女性部 小山彩さん2025年1月23日
-
旧正月【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第325回2025年1月23日
-
地元産米を毎月お届け 「お米サポート」スタート JAいずみの2025年1月23日
-
定着するか賃金引上げ 2025春闘スタート 鍵は価格転嫁2025年1月23日
-
鳥インフル 米アイオワ州など5州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月23日
-
鳥インフル 英シュロップシャー州、クルイド州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月23日
-
スーパー売り上げ、過去最高 野菜・米の価格影響 「米不足再来」への懸念も2025年1月23日
-
福島県産「あんぽ柿」都内レストランでオリジナルメニュー 24日から提供 JA全農福島2025年1月23日
-
主要病虫害に強い緑茶用新品種「かなえまる」標準作業手順書を公開 農研機構2025年1月23日
-
次世代シーケンサー用いた外来DNA検出法解析ツール「GenEditScan」公開 農研機構2025年1月23日
-
りんご栽培と農業の未来を考える「2025いいづなリンゴフォーラム」開催 長野県飯綱町2025年1月23日