【注意報】果樹全般にカメムシ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2024年5月9日
熊本県病害虫防除所は、果樹全般(カンキツ、ナシ、カキ、モモ、スモモ、ウメ等)に果樹カメムシ類(主にチャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ)が県内全域で多発のおそれがあるとして、5月2日に令和6年度病害虫発生予察注意報第4号を発令した。
カンキツ園に飛来した果樹カメムシ類のチャバネアオカメムシ(4月18日撮影)(写真提供:熊本県病害虫防除所)
熊本県病害虫防除所によると、令和6年のチャバネアオカメムシの越冬成虫数は、過去10年で2番目に多かった。合志市、宇城市、天草市に設置している予察灯における果樹カメムシ類の誘殺数は、4月初めから平年より多い。現在までに複数地域でカンキツ園への飛来を確認している。
福岡管区気象台が4月25日に発表した九州北部地方1か月予報によると、向こう1か月の気温は平年より高く、果樹カメムシ類の活動がさらに活発になることが予想される。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇果樹カメムシ類は、局地的に飛来し、被害をもたらすことがあるため、定期的に園を見回り、早期発見と薬剤による初期防除を徹底する。特に、山間部や山沿いの園地は被害を受けやすいため注意する。
〇チャバネアオカメムシとツヤアオカメムシの予察灯及びフェロモントラップの誘殺状況を病害虫防除所のホームページに掲載している。最新の情報を確認し、防除要否の参考にする。
〇果樹カメムシ類は日没直後に果樹園に飛来し、翌朝飛び去るため、夕方や早朝の防除が有効。
〇ピレスロイド系殺虫剤の多用は、天敵等への影響が大きく、ハダニ類の発生を助長するため最小限の使用に止める。また、開花中の園においてはミツバチに影響が少ない薬剤を選択する。
〇薬剤の使用にあたっては、使用回数、濃度、使用量、使用時期を遵守するとともに、周辺作物や有用昆虫・魚介類等の環境に影響がないよう農薬飛散(ドリフト)防止に努める。付近にミツバチの巣箱が設置してある園では、事前にその管理者に連絡するなど、農薬による危害防止に努める。
カンキツ園に飛来した果樹カメムシ類のツヤアオカメムシ(4月25日撮影)(写真提供:熊本県病害虫防除所)
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