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【注意報】果樹類に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2024年5月9日

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兵庫県病害虫防除所は、果樹類の特にナシ、モモ、カンキツ、カキに果樹カメムシ類(チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシが県内全域で多発のおそれがあるとして、5月2日に令和6年度病害虫発生予察注意報第1号を発令した。

果樹カメムシ類成虫(左からチャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシ)(写真提供:兵庫県病害虫防除所)果樹カメムシ類成虫(左からチャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシ)
(写真提供:兵庫県病害虫防除所)

図:フェロモントラップにおけるチャバネアオカメムシ誘殺数の推移図1:フェロモントラップにおけるチャバネアオカメムシ誘殺数の推移

一般的に果樹カメムシ類の発生量には隔年性があり、今年は発生の多い表年に該当する。越冬世代成虫の活動時期は例年に比べて早く、4月中旬から発生が確認されている。

兵庫県病害虫防除所によると、県内3地点(朝来市、加西市、南あわじ市)で実施しているチャバネアオムシ用フェロモントラップへのチャバネアオカメムシの誘殺数は、いずれの地点でも表年の平均を上回っている(図1)。特に加西市では例年にない早い時期に多数の個体が誘殺された。

また、同トラップにおいて、朝来市でクサギカメムシが4月合計59頭(過去5年の最高値11頭)、南あわじ市でツヤアオカメムシが同79頭(過去3年の最高値1頭)誘殺されるなど、例年見られない発生が確認されている。

兵庫県では越冬世代の越冬中の密度調査は実施していないが、昨年の秋期(9月)に越冬世代とみられる成虫が予察灯で多く誘殺された。また、冬季が温暖であったことから、同虫の越冬量が多いと推測され、今後、園地へ多飛来するおそれがある。

今後、気温の上昇に伴って果樹カメムシ類の活動が盛んになり果樹園へ飛来すると予想される。大阪管区気象台が4月25日に発表した向こう1か月の近畿地方の気象予報では、気温が平年より高く推移するとされており、今後の被害発生に注意が必要。

同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

〇果樹園への飛来量や飛来時期は、周辺環境の影響を大きく受けるため、地域や園地によって異なる。各園地で見回りを実施し、発生を認めたら速やかに薬剤による防除を行う。山林に近い園地では飛来量が多い傾向にあるため、特に注意する。

〇ナシやモモの有袋栽培では、袋かけ作業を早めに実施する。袋をかけていても外部から吸汁される場合があり、多発時には思いがけず被害果が増えるおそれがある。袋がけ後の発生状況にも注意する。

〇果樹カメムシ類は夜間を中心に活動するため、薬剤散布は夕方に行うと効果が高い。また、移動性が高いため、薬剤散布は広域的に一斉に実施し、地域全体の密度を下げることが望ましい。

〇薬剤散布を行う場合は、農作物病害虫・雑草防除指導指針等を参考に薬剤を選定し、農薬使用基準を守る。なお、合成ピレスロイド剤は効果が高く残効も期待できるが、天敵昆虫に対する影響が強く、ハダニ類など他害虫を誘発するおそれがある。使用にあたっては他の害虫の発生状況も十分に考慮する。

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