【注意報】果樹類にカメムシ類 県内全域で多発のおそれ 栃木県2024年5月14日
栃木県農業総合研究センターは、なし・りんご・ぶどう・キウイフルーツ・もも・うめ等の果樹類に果樹カメムシ類(チャバネアオカメムシ)が県内全域で多発のおそれがあるとして、5月13日に令和6年度病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
チャバネアオカメムシ成虫・トラップの誘殺状況(5月7日調査)(写真提供:栃木県農業総合研究センター)
栃木県農業総合研究センターによると、今年度のチャバネアオカメムシの総誘殺数(フェロモントラップ・5月第1半旬まで)は、県内6地点のうち4地点で平年比約11~71倍と多く、例年より早期に発生がみられる。
2023年はカメムシ類の餌となるスギ・ヒノキ球果量が多く(栃木県林業センター調査結果)、かつ暖冬の影響もあり、越冬世代虫数が多いと考えられる。日本気象協会が4月18日に発表した今年の関東地域(東京)におけるスギ・ヒノキ花粉の飛散量は、昨年比で少なく(69%)、球果量は昨年より減少すると考えられるため、果樹園地へのカメムシ類の飛来が多くなるおそれがある。
また、気象庁が5月2日に発表した1か月予報によると、高温傾向であるため、カメムシ類の活動が活発化し、果樹園地への飛来時期が早まるおそれがある。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇園内をこまめに観察し、早期発見に努め、カメムシ類の飛来が確認されたら防除する。飛来は長期間継続するため、地域の防除暦及び栃木県農作物等病害虫雑草防除指針を参考に、残効期間の長いピレスロイド系薬剤や、忌避効果が期待できるネオニコチノイド系薬剤を効果的に使用する。
〇なし園等では多目的防災網(4ミリ目合以下)を速やかに完全展張し、園全体をすき間無く被覆する。
〇有袋栽培では、袋掛けを早めに行う。
<防除対策上の留意点>
(1)夜間の気温及び湿度が高いと予想される日には、日没以降にカメムシ類が多く飛来するおそれがあるため注意する。
(2)山林に隣接する園地や、過去に多発した園地では、特に注意する。
(3)過度な薬剤散布は、ハダニ類やカイガラムシ類の天敵を減少させ、害虫の多発生を招くため、必ずカメムシ類の飛来を確認してから防除する。特に、ピレスロイド系薬剤は、天敵への影響が大きいため多用を避ける。
(4)夕方や早朝の防除が効果的であるが、薬剤散布時には、近隣への薬剤の飛散(ドリフト)や騒音に注意する。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日