【注意報】ムギ類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 三重県2024年5月20日
三重県病害虫防除所は、ムギ類に赤かび病が県内全域で多発のおそれがあるとして、5月17日に令和6年度病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
三重県病害虫防除所によると、今年はムギ類赤かび病に最も感染しやすいとされる時期(開花期から10日後までの間)に、感染に好適な気象条件となった日が多くなった。コムギの巡回調査ほ場(5月第2~3週)では、赤かび病の発生ほ場率は97.2%(平年26.9%、令和5年61.1%)、発病穂率は4.06%(平年0.15%、令和5年0.03%)で、いずれも過去10年間で最も高い。
名古屋地方気象台が5月16日に発表した1か月予報によると、向こう1か月の気温は高く、降水量は平年並か多い見込み。現在、赤かび病が発生しているほ場では今後、感染が拡大する可能性がある。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇収穫までの期間があるほ場では追加防除をする。収穫前日数に注意し、薬剤のローテーション散布する。
〇ほ場の見回りにより発生状況を確認し、赤かび病の発生がひどいほ場では刈り分けを行う。
〇刈り遅れは感染拡大を助長するため、穀粒水分28%を目安に収穫する。また、収穫後は速やかに乾燥する。
〇赤かび病の被害粒は粒厚が薄く、比重が軽い傾向があるため、粒厚選別や比重選別により被害粒除去に努める。
〇共同乾燥調製施設においては、荷受け時に赤かび病の被害粒をチェックし、被害粒がみられた場合は、必要に応じて仕分けを行う。
コムギ赤かび病の発生状況
◎かび毒について
赤かび病の病原菌は、かび毒を発生させることがある。かび毒であるデオキシニバレノールの基準値を超えた麦は食用として流通することができない。
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