農業自動化ソリューション開発・提供 カナダのVerdi社に出資 NEC X2024年5月24日
NECの子会社で、シリコンバレーで新事業の創出を推進するNEC Xは、農家の食料生産を最適化するカナダのスタートアップVerdi Expeditions Inc.(Verdi社)へ出資した。金銭的な投資だけでなく、 NECの農業ICTプラットフォームCropeScopeと連携し、加工用トマト栽培での実証実験をカゴメと共同でポルトガルで実施する。
近年、世界で多くの農家が干ばつ被害に悩まされ、人口増加や気候変動による水不足も大きな課題となっている。しかし、バルブ、ポンプ、インジェクターなど現状の農業インフラは1950年代以降大きく変わっておらず、作物や畑の場所によって個別最適化できていないために、使われる水や肥料の最大60%を浪費し、収穫されるべき作物が最大20%畑に残っているのが現状だ。
Verdi社が提供するスマートデバイスと農業自動化プラットフォームは、これらの課題に対処し、農業の効率性と生産性を向上させるためのソリューションを提供している。
スマートデバイス「Verdi Block Controller」と「Verdi Micro-Block Controller」はブロックバルブ、ポンプ、インジェクター、センサーなどといった既存のあらゆるインフラに備え付けることが可能で、水や肥料の投与など様々な処理を制御。従来よりも細分化されたレベルでの農場管理を可能とし、食料生産を最適化する。ワイヤレスで耐久性も高く、密集した畑や極端な温度など過酷な環境下でも稼働する。
水や肥料の投与などは全てVerdiダッシュボード上で管理が可能で、NDVI画像や気象観測所データへのアクセス、労務管理、レポート作成に至るまで、農業管理に必要な業務を一元化。作物のヘルスケアをパーソナライズすることで、Verdi社は2023年、顧客の水使用量を3000万リットル以上節約することに成功している。
Verdi Dashboard
NECグループはこれまでも農業ICTプラットフォーム CropScopeの開発や、カゴメとの合弁会社「DXAS Agricultural Technology LDA(ディクサス アグリカルチュラル テクノロジー)」の設立などを通じ、環境に優しく収益性の高い営農の促進に取り組んできた。今回の出資は、NEC Xが運営するベンチャースタジオプログラム「Elev X! Boost」の一環として行われ、Verdi社の事業拡大支援と各社の事業シナジーの創出が期待される。
今後、Verdi社のソリューションとCropScopeを掛け合わせた技術連携を予定。今夏ポルトガルの加工用トマト栽培において実証実験を行う。Verdi社は加工用トマトを始め対応作物拡張が可能となる。
重要な記事
最新の記事
-
飼料用米多収日本一 山口県のあぐりてらす阿知須 10a当たり863kg2025年3月3日
-
【特殊報】ナシ胴枯細菌病 県内で初めて発生を確認 島根県2025年3月3日
-
政府備蓄米売り渡し 入札 3月10日に実施 農水省2025年3月3日
-
新潟県の25年産米概算金「コシ2.3万円」 早期提示に歓迎の声 集荷競争、今年も激化か2025年3月3日
-
米の集荷数量 前年比23万t減に拡大 農水省2025年3月3日
-
米価高騰問題への視座【森島 賢・正義派の農政論】2025年3月3日
-
【次期家畜改良目標】低コスト、スマート農業重視 酪農は長命連産、肉牛は短期肥育2025年3月3日
-
【改正畜安法の現状と課題】需給対策拡大が焦点 問われる「国主導」2025年3月3日
-
あなたたちは強い〝武器〟を持っている JA全国青年大会での「青年の主張」「青年組織活動実績発表」講評 審査委員長・小松泰信さん2025年3月3日
-
JA農業経営コンサルタント 15人を認証 全中2025年3月3日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年3月3日
-
農業用バイオスティミュラント「エンビタ」とは 水稲育苗期にも効果 北興化学工業2025年3月3日
-
アミューズメント施設運営「ティスコ」株式を譲受 農林中金キャピタル2025年3月3日
-
「2025ローズポークおいしさまるごとキャンペーン」でプレゼント 茨城県銘柄豚振興会2025年3月3日
-
福岡ソフトバンクホークスとのオフィシャルスポンサー契約更新 デンカ2025年3月3日
-
ファーマーズ&キッズフェスタ2025 好天で多数の参加者 井関農機は農業機械体験2025年3月3日
-
【今川直人・農協の核心】産地化で役割が高まる農協の野菜取り扱い2025年3月3日
-
野菜がたっぷり食べられるカレー味「ケンミンカレー焼ビーフン」新発売2025年3月3日
-
第164回勉強会『海外市場での植物工場・施設園芸の展開』開催 植物工場研究会2025年3月3日
-
春の山梨の食材の魅力を伝えるマルシェ 5日から国分寺マルイで開催 雨風太陽2025年3月3日