【特殊報】サツマイモ基腐病 府内で初めて確認 京都府2024年5月27日
京都府病害虫防除所は、サツマイモ(かんしょ)にサツマイモ基腐病を府内で初めて確認。これを受けて、5月24日に令和6年度病害虫発生予察特殊報第3号を発令した。
写真1:褐変した塊根(提供:京都府病害虫防除所)
京都府病害虫防除所によると、1月に京都府内のサツマイモ栽培ほ場から収穫し保存中の塊根において、褐変症状を確認した(写真1)。同所は、褐変症状を呈する塊根から分離した病原菌の形態確認(写真2)。また、PCR法による検定を行ったところ、京都府内では発生を確認していないサツマイモ基腐病であることを確認した。
写真2:Diaporthe destruensの培養菌叢(PDA)(提供:京都府病害虫防除所)
同病は、国内では2018年に沖縄県で初確認され、その後計34都道府県で報告されている。
病徴としては、本ぽでは葉が黄変・赤変して生育不良となり、地際部の茎が暗褐色から黒色に変色(写真4)。塊根では、なり首から腐敗しはじめ、次第に塊根全体に病徴が進展する(写真1)。病変部には、微小な黒粒(柄子殻)が多く形成され、胞子が漏出する(写真3)。胞子は降雨により周辺の株に移り発生が拡大する。
同病はサツマイモを含むヒルガオ植物でのみ発生。伝染源は、主に感染した塊根(種イモ)や苗、土壌中に残った感染残渣となる。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇本ぽで、同病の病状を認めた株は速やかに抜き取り、ほ場外に持ち出して適正に処理し、薬剤を散布する。なお、茎葉の生育が盛んな時期は発病に気付きにくく、収穫時期が近づき茎葉の生育が衰えてから気付く場合があるので注意する。
〇ほ場内の停滞水が発生を助長しやすいため、排水が不良なほ場では排水対策を行う。
〇発生ほ場で使用した農具や農機は、十分に洗浄・消毒を行う。
〇発生ほ場では、次作の前に土壌消毒を行う(表1参照)。多発ほ場では、サツマイモの連作を避け、ヒルガオ科以外の作物を栽培する。
〇同病が発生していないほ場で生産された、健全な種苗を用いる。
〇植付け前に苗の浸漬処理を行う。
〇防除対策の詳細は、農研機構ホームページ内の技術紹介パンフレット「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策(令和4年度版)」を参照すること。
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