【注意報】茶にチャノミドリヒメヨコバイ 県内全域で多発のおそれ 熊本県2024年6月7日
熊本県病害虫防除所は、茶にチャノミドリヒメヨコバイが県内全域で多発のおそれがあるとして、5月31日に令和6年度病害虫発生予察注意報第5号を発令した。
チャノミドリヒメヨコバイ成虫(提供:熊本県病害虫防除所)
熊本県病害虫防除所によると、5月中旬の巡回調査(県内8園地)では、平均寄生葉率は3.0%(平年0.6%)、平均被害芽数は23.4本/㎡(平年2.7本/㎡)と平年比多。また、茶業研究所(御船町)の予察ほ場における5月第4半旬のたたき落とし調査の捕獲頭数は、9頭/10か所(平年3頭/10か所)と平年比やや多の発生だった。
福岡管区気象台が5月30日に発表した九州北部地方1か月予報によると、向こう1ヶ月の降水量は平年並か平年より多いが、気温は平年並の予想。今後も同害虫による被害の発生が続くと考えられる。
被害(新葉の褐変・落葉)(提供:熊本県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
チャノミドリヒメヨコバイは成虫、幼虫とも新芽や新梢を吸汁加害する。萌芽期から開葉期に被害を受けると葉の褐変や萎縮が発生し、落葉を引き起こす。更新園や幼木園等、常に新梢がある園地は被害が大きくなりやすく、また増殖場所にもなりやすいため、特に発生に注意し、以下の防除対策を行う。
〇萌芽期から1葉開葉期に薬剤散布による防除を実施する。二番茶を摘採する茶園で多発している場合は、早めに摘採し、不摘採の茶園および幼木園では1回目の防除の約2週間後に異なる系統の薬剤で、新たなふ化幼虫を対象とした追加防除を実施する。
〇薬剤散布の際には、すそ部を含め、新芽や新梢にもムラなく薬剤が行き渡るように十分な量を散布する。また、薬剤抵抗性の発達を防ぐため、系統の異なる薬剤のローテーション使用を行う。
〇農薬を使用する際はラベルをよく確認し、使用基準(収穫前使用日数や希釈倍数等)を遵守する。
〇天敵等有用昆虫への影響を最小限に抑えるため、選択性の高い農薬の選択を心掛ける。近隣のほ場へのドリフト及びミツバチや魚介類等、周辺動植物や環境に影響がないよう、飛散防止を徹底し、危害防止に努める。
〇二番茶摘採後は、剪枝等耕種的防除により、次世代の発生密度の低減に努める。
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