【注意報】白ネギにネギアザミウマ 県内全域で多発のおそれ 大分県2024年6月21日
大分県農林水産研究指導センターは、白ネギにネギアザミウマが県内全域で多発のおそれがあるとして、6月20日に令和6年度病害虫発生予察注意報第4号を発令した。
大分県農林水産研究指導センターによると、平坦地で6月14日に実施した巡回調査では、発生圃場率、平均被害度ともに平年より高かった(図1)。
図1:病害虫発生予察巡回調査での白ネギにおけるネギアザミウマの発生推移(平坦地)
発生圃場率:100%(平年:90.0%、前年:100%)
平均被害度:30.0(平年:19.4、前年:26.3)
また、中山間で6月12~17日に実施した巡回調査では、発生圃場率、平均被害度ともに平年より高かった(図2)。
発生圃場率:100%(平年:78.6%、前年:87.5%)
平均被害度:17.3(平年:9.8、前年:5.2)
図2:病害虫発生予察巡回調査での白ネギにおけるネギアザミウマの発生推移(中山間地)
一部地域では、ネギアザミウマが媒介するえそ条斑病(IYSV)が発生しており、高温乾燥条件で発生が助長される。福岡管区気象台が6月13日に発表した1か月予報では、向こう1か月の平均気温は、平年並20%、高い確率70%、降水量は少ない確率20%、平年並40%と予測されており、気温が高い条件が続く可能性がある。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ネギアザミウマの薬剤抵抗性発達を防ぐため、同一系統薬剤の連続使用は避け、ローテーション防除を心掛ける。防除に使用する薬剤は、大分県農林水産研究指導センター病害虫対策チームホームページ内にある「大分県主要農作物病害虫及び雑草防除指導指針」の「ねぎ」項を参照。なお、薬剤によっては指針の更新日以降に登録内容が変更されている場合があるため、容器のラベルに記載されている使用時期、使用回数等を遵守し使用する。
〇圃場内および周辺の雑草はネギアザミウマの増殖源となるため、除草を徹底する。ただし、防除前に除草を行うと、圃場外からの飛び込みにより被害が拡大する恐れがあるため、圃場内の白ネギに対して防除を実施した後、薬剤の効果が残っている内に速やかに除草を行うよう留意する。また、アザミウマ類は風で移動するため、特に圃場の風上側の除草を心がける。
〇次作以降のネギアザミウマや同虫が媒介するえそ条斑病(IYSV)の蔓延を防ぐため、残渣の処分や圃場周辺の除草を徹底する。
〇ネギアザミウマは、白ネギ以外にもユリ科、アブラナ科、ウリ科、ナス科、キク科及びバラ科など多くの園芸作物に被害を及ぼす害虫であることから、作物体を注意深く観察し早期発見・早期防除を心掛ける。
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