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コムギ赤かび病の発生予察に貢献 長野県農業試験場と共同開発「クロップナビ」 アスザック2024年6月26日

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気象センサの開発・製造・販売を手がけるアスザック株式会社P&D事業部(長野県高山村)と長野県農業試験場が共同開発した「クロップナビ」は、長野県内のコムギ赤かび病の発生予察に貢献している。

コムギ赤かび病コムギ赤かび病

赤かび病は糸状菌(かび)の一種に起因する麦類の重要病害で、主にコムギやオオムギ等の穂に感染する。同病は、麦の出穂期から開花最盛期(大麦は穂揃期)に雨が多く、気温が高く経過すると発生しやすく、長野県北信地域の一部の栽培圃場では、すでに初期病斑が確認されている。

また、赤かび病菌は、かび毒であるデオキシニバレノール(DON)を産生することから、適切な防除対策が必要。デオキシニバレノール(DON)は、人畜に対して有害な毒素を発生するかび毒で、摂取すると悪心、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、めまいや発熱など急性症状を引き起こすことがある。

「クロップナビ」は、アスザックと長野県農業試験場が2007年にイネの「いもち病」の発生予察として共同開発した機器。測定したい農地に直接置いて、気温・降水量などの気象データや土壌成分値などの土壌データを収集し、作物の生育やいもち病などの予防に活用されている。また、通信機能をつけることで測定したデータをWEB上で確認できるため、現地に出向かずに農地を管理できる。

コムギ赤かび病の感染予測については、約9年前に長野県農業試験場で発生予測の理論式が考案され、そのプログラムがクロップナビに搭載された。現在はコムギ赤かび病の発生予測のために県内5地点にクロップナビが設置されて観測。今回の長野県農政部・病害虫防除所からの注意報も、クロップナビで観測したデータを基に発令されている。

また、クロップナビがコムギ赤かび病の発生しやすい好適条件日を観測して知らせることで、農家は適正なタイミングで農薬散布するなど、防除対策が可能になることから、農薬の使用量を減らし金銭的・体力的負担を減らし、収穫量の確保にもつながる。

クロップナビクロップナビ

◎「クロップナビ」製品情報
外形:H250×W220×D100(設置台使用時H950×W330×D380)
購入価格:44万2200円
レンタル料:月5000円~
標準搭載:雨量計、葉濡れセンサ、温度計、ミニ百葉箱、風力陽光センサ、設置台、取付金具
オプション:水分土壌センサ、水見センサ、CO2センサ、湿度センサ等
使用事例:イネいもち病、りんご黒星病、ピーマン炭疽病、コムギ赤かび病、スイカ炭疽病、白菜炭疽病、県内ワイナリーでの生育予測、コシヒカリ生育予測等

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