【特殊報】トマト立枯病 県内で初めて発生を確認 静岡県2024年7月4日
静岡県病害虫防除所は、トマトにトマト立枯病の発生を県内で初めて確認し、7月4日に令和6年度病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。
図1:地際の褐変(提供:静岡県病害虫防除所)
静岡県病害虫防除所によると、県内のトマト栽培施設で地際部や葉かき跡が褐変腐敗する症状の発生がみられたため、3月に西部地域の10施設を調査したところ、8施設でこの症状が確認された。
現地で採取した罹病株から分離した菌の形態および遺伝子配列を確認したところ、6菌株がトマト立枯病の病原菌であるFusarium solanimelongenae(Haematonectria ipomoeae)と一致した。分離菌株をトマトに接種したところ、発病が確認された。
図2:葉かき跡の褐変(提供:静岡県病害虫防除所)
同病は1990年に愛知県で初めて発生が確認され、その後7県で発生が報告
されている。
図3:地際に形成された子のう殻(提供:静岡県病害虫防除所)
病徴としては、地際部や葉かき跡に褐変、ひび割れがみられ、発病部位の内部にも進展する(図1、2)。罹病部の表面には赤色の小粒(子のう殻)を形成する場合がある(図3、4)。症状が進展すると葉の黄化、株の萎れを生じ、枯死する。
図4:子のう殻と子のう胞子(提供:静岡県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇7月4日時点で同病に対する登録農薬は無いため、耕種的な防除を実施する。
〇生産資材の交換や消毒を実施する。
〇発病株は伝染源となり得るため、発見後は抜き取り、ほ場外で適切に処分する。
〇栽培終了後は残渣を残さず除去し、施設内の衛生管理に努める。
〇定植前に太陽熱土壌消毒などの防除を実施する。
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