【注意報】野菜、花き類にオオタバコガ 県内全域で多発のおそれ 過去10年最多の昨年を上回る誘殺 千葉県2024年7月18日
千葉県農林総合研究センターは、野菜(特に果菜類)と花き類にオオタバコガが県内全域で多発のおそれがあるとして、7月17日に令和6年度病害虫発生予察注意報第3号を発令した。
写真1:幼虫とミニトマト果実の食害痕(穴をあけ、内部を食害する)(提供:千葉県農林総合研究センター)
千葉県農林総合研究センターによると、県内8地点のフェロモントラップ調査において、オオタバコガ(写真1、2)の1日当たり誘殺数は5月が2.02頭(平年0.76頭)、6月が2.33頭(平年0.93頭)と過去10年と比較
して最も多かった。
6月中旬時点で平年の8月上旬並の誘殺があり、誘殺数の増加が著しい。なお、前年は5~11月の各月の誘殺数が過去10年と比較して最も多かったが、今年はこれを概ね上回る誘殺数で推移している。
気象庁が6月25日に発表した3か月予報によると、関東甲信地方の7~9月の平均気温は高い確率60%。チョウ目害虫の発生・増加に好適な環境が続くことが予想されるため、平年を上回る被害が懸念される。
写真2:トマトの葉上の卵(卵塊ではなく、1個ずつ産卵される)(提供:千葉県農林総合研究センター)
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
<防除対策>
(1)ほ場をよく観察し、食害痕や糞の近くに幼虫がいる可能性が高いため、見つけ次第、除去する。特に、新芽や花蕾には卵や若齢幼虫がいることが多いので、摘心した側枝や蕾はほ場外に持ち出し処分する。
(2)老齢になるに従って薬剤の効果が低下するので、ほ場の見回り等による早期発見に努め、若齢幼虫のうちに薬剤散布等により防除する。
(3)施設栽培では施設開口部に防虫ネットを設置して、成虫の侵入を防ぐ。
(4)防蛾用黄色灯の夜間点灯を行う。
<注意事項>
(1)幼虫は、トマト、ナス等の果実内部、キャベツ、レタス等の結球内部、トウモロコシの若い穂、花き類の頂芽や蕾内部を食害する。
(2)9月以降も発生の多い状況が維持されることが予想されるため、レタス等でも注意が必要。レタス等では結球部に食入加害するため、生育ステージに合わせた防除体系により被害の抑制を図る。
(3)農薬の使用にあたっては、最新の農薬登録情報を確認し、製品ラベルに記載された使用基準等を守り適正に使用する。
(4)害虫の薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同系統薬剤の連用は避け、ローテーション散布を行う。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(131)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年3月1日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(48)【防除学習帖】第287回2025年3月1日
-
農薬の正しい使い方(21)【今さら聞けない営農情報】第287回2025年3月1日
-
【青年大会特集座談会】国の礎「食」を支える自負を(2)京大藤井聡教授・田中均組合長・久保田治己氏2025年2月28日
-
【青年大会特集座談会】国の礎「食」を支える自負を(3)京大藤井聡教授・田中均組合長・久保田治己氏2025年2月28日
-
【米の食味ランキング】猛暑・残暑で西日本のランク落ち目立つ 徳島南部コシヒカリは初の「特A」2025年2月28日
-
【JA全国青年大会】JA青年の主張 最優秀賞に谷本弾さん(JAあきた北青年部)2025年2月28日
-
全農 政府備蓄米入札への応札方針決める2025年2月28日
-
(424)「米国農務省の長期見通し」雑感【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月28日
-
大谷翔平選手が「ファミリーマートおむすびアンバサダー」就任「ぼんご監修おむすび」新発売2025年2月28日
-
東北農林専門職大学、南東北クボタと「スマート農林業」で連携協定締結 山形県新庄市2025年2月28日
-
【役員人事】JA三井リース(4月1日付)2025年2月28日
-
「令和7年2月17日からの大雪」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年2月28日
-
宮崎ガス「カーボン・オフセット都市ガス」のJクレジットを媒介 農林中金2025年2月28日
-
農機の装備や販社連携、オンライン企画一体で農作業安全を推進 クボタ2025年2月28日
-
チラシやHP、SNSで農作業の安全を啓発 体験型研修も実施 ヤンマーアグリ2025年2月28日
-
安全装置を採用、機種別広報で農作業安全を啓発 三菱マヒンドラ農機2025年2月28日
-
農業女子プロジェクトや社外研修でも農作業安全を啓発 井関農機2025年2月28日
-
農業用窒素固定菌資材「エヌキャッチ」 キャンペーン ファイトクローム2025年2月28日
-
【役員人事】雪印メグミルク(4月1日付)2025年2月28日