【28年ぶり警報】平年90倍超え地点も果樹カメムシ類が異常発生 愛媛県2024年7月23日
愛媛県病害虫防除所は、果樹類(キウイフルーツ、かき、かんきつ等)に果樹カメムシ類が県下全域で多発。6月7日付の注意報発表後も異常な発生が続いていることから、7月19日に令和6年度病害虫発生予察警報第1号を発表した。愛媛県で警報は平成8年以来28年ぶりとなる。
愛媛県病害虫防除所によると、7月第1~第2半旬にかけた予察灯や集合フェロモントラップでの誘殺数は、平年の90倍を超える地点がみられるなど、警報を発表した平成8年と比べても誘殺数は多い(表1)。
7月第2~第3半旬に行った果実調査(キウイフルーツ、かき、かんきつ)では、全ての樹種で被害が認められ、特に、キウイフルーツでは被害果率が高く、平成8年を超えている(表2)。また、山際等で果樹カメムシ類の被害が非常に多かった園地では、90%を超える被害果が生じるとともに落果が見られる園地もある。なお、かきでは渋がきに比べ甘がきの被害果率が約3倍高くなっている(表3)。
今年のように前期型(越冬成虫が多い)の場合には7月下旬にかけて飛来が減少するが、今年は餌となるヒノキ球果が極めて少ないため、園地へ多量の飛来が継続することが予想される。特に、8月上旬頃までは多量の園地飛来に最大限の警戒が必要(図1)。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇飛来時期や飛来量は園地により異なるため、園地観察を行い、発生を認めたら、各地域の防除暦に従い速やかに防除を行う。特に発生の多い地域では広域一斉防除を実施する。
〇主に山林から果樹園に飛来する。山林に近い園地での被害が多い傾向にあるため、特に注意する。
〇果樹園への飛来は、曇天で夜温があまり下がらない日に多くなるため注意する。
〇果樹カメムシ類は主に夕方から夜間にかけて加害するため、薬剤散布は夕方に行うと効果的。
〇飛来が長期間続く場合は、継続的な防除が必要だが、連続して防除を行うと、ハダニ類やカイガラムシ類の異常増殖(リサージェンス)を引き起こす恐れがあるため注意する。
〇薬剤は登録内容に応じて使用するが、周辺作物や生物(魚・蚕・ミツバチ等)に影響を及ぼさないよう注意して選択する。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日