【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 広島県2024年7月29日
広島県農林水産局は、水稲に斑点米カメムシ類(アカスジカスミカメ、イネカメムシ、クモヘリカメムシ等)が県内全域で多発のおそれがあるとして、7月26日に令和6年度病害虫発生予察注意報第2号を発表した。
左から、写真1:アカスジカスミカメ(体長5~6mm(提供:広島県農林水産局)、
写真2:イネカメムシ(体長12~13mm(提供:広島県西部農業技術指導所)、
写真3:クモヘリカメムシ(体長15~17mm(提供:広島県西部農業技術指導所)
広島県農林水産局によると、呉市の予察灯(7月第4半旬)におけるイネカメムシ累積誘殺数は33頭(平年3.7頭)で、過去10年で最も高くなっている。農業技術センター(東広島市)の予察灯(7月第1半旬~4半旬)におけるイネカメムシ誘殺数は、7頭(過去8年平均0頭)、アカスジカスミカメ誘殺数は、52頭(過去8年平均3.6頭)と多い。
極早生品種および早期栽培稲におけるすくい取り調査では、アカスジカスミカメ(写真1)などのカスミカメ類や、その他加害種の発生が多いほ場が見られる。要防除ほ場率は59.3%で、過去の注意報発表年をすでに上回っている。
南部地帯で加害力の高いイネカメムシ(写真2)、クモヘリカメムシ(写真3)の発生の多いほ場が見られ、今後の増殖により被害の発生が予想される。中国地方1か月予報では、気温は高く、降水量がほぼ平年並のため、増殖に好適。
左から、写真4:イネカメムシによる基部被害粒、
写真5:上段:カスミカメムシ類による被害粒(黒蝕米)
下段:クモヘリカメムシ等その他加害種による被害粒(標準的斑点米)
(提供:広島県西部農業技術指導所)
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇早生品種では、斑点米カメムシ類による吸汁被害(写真4、5)が集中するため、防除を徹底する。
〇近年、被害が拡大しているイネカメムシについては、出穂前の水田に侵入し、不稔症状を発生させることが確認されている。多発地域では出穂始めに防除する。
〇出穂期近くになっての畦畔などの除草は、カメムシ類を水田内に追い込むことになる。早生では除草を控える。中生では出穂2週間前までに除草を終える。
〇要防除水準:表のとおり
〇斑点米カメムシ類の調査方法については、「ひろしま病害虫情報」の「調査の方法」を参照する。
〇薬剤散布については、農薬使用基準(使用量、希釈倍数、使用時期、使用回数等)を遵守するとともに、周辺作物への飛散防止対策を徹底する。
〇最新の農薬情報は、農林水産省ホームページ「農薬コーナー」の「農薬登録情報提供システム」を参照する。
表:本田乳熟期におけるカメムシ類の発生量と斑点米の関係
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