トマト・ネギ・ブロッコリーなど 8月の主な病害虫対策を公表 東京都2024年7月31日
東京都病害虫防除所は7月29日、主な作物の病害虫防除について8月の防除のポイントを公表した。
図1:トマトを加害するタバコガ類(提供:東京都病害虫防除所)
主な病害虫の防除法は次のとおり。
<農作物全般>
○在来天敵等の活用
環境負荷を低減するため天敵利用による防除が有効。特にヒメハナカメムシ類は、アザミウマ類やハダニ類の在来天敵として8月を中心に大きな役割を果たし、市販の天敵製剤としても普及している。しかし、すべての害虫を天敵のみで防除するのは難しいため、BT剤やIGR剤など天敵に影響の少ない農薬を併用し、害虫の密度を下げることが重要。適切な殺虫剤を選択し、天敵、害虫の防除バランスを上手に構築する。
図2:ナスの花を加害するタバコガ類(提供:東京都病害虫防除所)
〇タバコガ類(図1、2)
7月の巡回調査でタバコガ類によるトマト、ナス果実への食害が確認された。特にオオタバコガは寄主範囲が広く、キャベツ等の葉菜類も加害する。今後、増加期にあたるため、被害が多くなると予想される。ほ場を注意深く見回り、食害の痕跡がある場合は、若齢幼虫のうちに防除指針を参考として確実に防除する。また、被害果は速やかに除去すること。
<トマト>
○トマトのウイルス病
ウイルス病は手や資材を介した接触や微小害虫による吸汁から感染し、一旦感染した株は回復しないため予防と発生時の早期防除が重要。特に促成長期どり栽培や抑制栽培の生育初期にあたる8月から9月にかけては、その後の長丁場を無駄にしないためにウイルス病の対策を徹底する。
育苗期は株が密集しているため感染すると蔓延しやすく、被害が大きくなる。ウイルスを媒介するコナジラミ類やアザミウマ類の侵入を防ぐには、0.4ミリ目合の防虫ネットを施設開口部に張ると有効だが、高温になるのが欠点。0.6ミリ目合では通気性が改善され、防除効果もある程度は期待できる。また、黄色粘着板の設置は媒介虫の早期発生に有効。
特にトマト黄化葉巻病は感染力が強く、低密度でも大きな被害を及ぼす。媒介するタバココナジラミを発生させないように防除指針を参考に適切な防除を行う。
<ネギ類>
○ネギアザミウマ
巡回調査では寄生率が高く、今後も増加期にあたるため被害が多くなると予想される。ネギアザミウマは薬剤抵抗性が懸念されているため、防除指針を参考に適切な農薬を選択し、ローテーション散布を行う。
<アブラナ科野菜>
○ハイマダラノメイガ
夏季の気温が高く、乾燥している条件で多発する。ダイコンシンクイの名で知られるように、アブラナ科野菜の発芽直後に食害するため、生長点がなくなってしまう。気付かないうちに加害されているケースが多いため予防が重要。ハクサイやキャベツ、ブロッコリーでは、特に育苗期に防虫ネットを活用するなど重点的に、また、ダイコン、カブ、コマツナなどは、播種、定植時の粒剤、セル苗であれば、灌注処理をうまく活用する。防除指針を参照して適切な防除を。
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】JA全農(2025年1月1日付)2024年11月21日
-
【地域を診る】調査なくして政策なし 統計数字の落とし穴 京都橘大学教授 岡田知弘氏2024年11月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】国家戦略の欠如2024年11月21日
-
加藤一二三さんの詰め将棋連載がギネス世界記録に認定 『家の光』に65年62日掲載2024年11月21日
-
地域の活性化で「酪農危機」突破を 全農酪農経営体験発表会2024年11月21日
-
全農いわて 24年産米仮渡金(JA概算金)、追加支払い2000円 「販売環境好転、生産者に還元」2024年11月21日
-
鳥インフル ポーランドからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
鳥インフル カナダからの生きた家きん、家きん肉等の輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
JAあつぎとJAいちかわが連携協定 都市近郊農協同士 特産物販売や人的交流でタッグ2024年11月21日
-
どぶろくから酒、ビールへ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第317回2024年11月21日
-
JA三井ストラテジックパートナーズが営業開始 パートナー戦略を加速 JA三井リース2024年11月21日
-
【役員人事】協友アグリ(1月29日付)2024年11月21日
-
畜産から生まれる電気 発電所からリアルタイム配信 パルシステム東京2024年11月21日
-
積寒地でもスニーカーの歩きやすさ 防寒ブーツ「モントレ MB-799」発売 アキレス2024年11月21日
-
滋賀県「女性農業者学びのミニ講座」刈払機の使い方とメンテナンスを伝授 農機具王2024年11月21日
-
オーガニック日本茶を増やす「Ochanowa」有機JAS認証を取得 マイファーム2024年11月21日
-
11月29日「いい肉を当てよう 近江牛ガチャ」初開催 ここ滋賀2024年11月21日
-
「紅まどんな」解禁 愛媛県産かんきつ3品種「紅コレクション」各地でコラボ開始2024年11月21日
-
ベトナム南部における販売協力 トーモク2024年11月21日
-
有機EL発光材料の量産体制構築へ Kyuluxと資本業務提携契約を締結 日本曹達2024年11月21日