【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 岩手県2024年8月1日
岩手県病害虫防除所は、水稲に斑点米カメムシ類が県内全域で多発のおそれがあるとして、7月31日に令和6年度病害虫発生予察注意報第2号を発表した。
出穂開花した水稲に寄生するアカスジカスミカメ(提供:岩手県病害虫防除所)
岩手県病害虫防除所によると、基準圃場(北上市:イタリアンライグラス主体の雑草地)で、カスミカメムシ類の発生が急増しており、特に、アカスジカスミカメ(写真)の発生が平年より多い。
7月17~26日に実施した水田畦畔におけるすくい取り調査(73圃場)の結果、特に、アカスジカスミカメの平均捕獲虫数が平年よりかなり多い30.9頭(平年13.6頭)で過去10年間で最も多い。
また、水稲の出穂開花が始まった水田やホタルイ等が発生している水田内では、アカスジカスミカメ等のカメムシ類が確認されている。
8月の気温は平年より高い予報で、斑点米カメムシ類の水田内への侵入や加害が活発になる可能性が高い。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇茎葉散布による水稲の穂揃期1週間後の基本防除を徹底する。県全体の水稲の出穂期は平年より2日早まる見込みのため(令和6年度農作物技術情報第5号水稲)、圃場の出穂状況を確認し、適期防除に努める。
〇水田付近に出穂開花したイネ科植物(イタリアンライグラス等)を含んだ牧草地等がある場合や、本田内にノビエ、イヌホタルイ、シズイが多発している圃場では、カメムシ類の発生量が多くなる可能性が高いため、圃場をよく観察し水稲の穂揃期2週間後の追加防除を実施する。
なお、1回目の防除(水稲の穂揃期1週間後)にジノテフラン剤(アルバリン剤、スタークル剤)を使用した場合には、水稲の穂揃期3週間後に追加防除を実施する。
〇登熟期間が高温で経過すると、割れ籾の発生が助長されることがあるため、割れ籾の多い品種(あきたこまち等)は水稲の穂揃期2週間後の追加防除を実施する。※例年割れ籾が少ない「ひとめぼれ」においても、登熟期間(8月中旬~9月上旬)の高温という気象は、割れ籾の発生リスクとなるため、注意を要する。
〇薬剤による防除は、転作牧草地や雑草地に隣接したところを中心に行い、カメムシ類の生息する畦畔にも散布する。
〇地域一斉に防除すると効果が高い。地域の穂揃期の幅が7日以内の場合、半数の圃場が穂揃期に達した時期の約7日後に一斉防除を実施する。
〇水稲出穂期以降の畦畔の草刈りは、アカスジカスミカメを水田に追い込むリスクがあるため、本田の薬剤散布を実施した後概ね7日以内(薬剤の残効期間内)に実施する。
<留意事項>
(1)養蜂活動が行われている地域で殺虫剤を散布する場合は、養蜂家等への防除計画の事前周知に努めるなど、ミツバチの危害防止対策を徹底する。
(2)薬剤散布の際は、農薬使用基準を遵守し、周辺への飛散防止に努める。
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