【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 静岡県2024年8月5日
静岡県病害虫防除所は、水稲に斑点米カメムシ類(アカスジカスミカメ、アカヒゲホソミドリカスミカメ、ミナミアオカメムシ、イネカメムシ等)が県内全域で多発のおそれがあるとして、8月2日に令和6年度病害虫発生予察注意報第2号を発表した。
静岡県病害虫防除所によると、7月の県内4か所の予察灯では、斑点米カメムシ類の誘殺数は同時期の平年(過去10年の平均)に比べて多く、浜松市中央区雄踏町では、644頭/19日(平年202頭/19日)と平年の3.2倍、島田市中河では747頭/15日(平年305頭/15日)と平年の2.4倍だった(表1)。うち、イネカメムシの誘殺数は、磐田市加茂では、115頭/21日(過去3年平均22頭/17日)、磐田市長須賀では、120頭/17日(過去3年平均51頭/17日)と同時期の過去3年平均より多かった(表1)。
7月中下旬に行った水田周辺のすくい取り調査(捕虫網30回振り)による斑点米カメムシ類の捕獲数は、志太榛原および中遠・西部普通期作型で、平年に比べて多かった(表2)。
名古屋地方気象台が7月25日に発表した1か月予報では、降水量はほぼ平年並だが、気温は平年より高い。発生がさらに助長される恐れがあり、今後も注意が必要。
図1:イネカメムシ成虫(左)、図2:アカスジカスミカメ成虫(提供:静岡県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇畦畔など水田の周囲のイネ科雑草は、斑点米カメムシ類(イネカメムシを除く)の発生源となるため、地域全体で一斉に除草する。また、アカスジカスミカメはカヤツリグサ科雑草にも寄生するので、カヤツリグサ科雑草も除草する。ただし、水稲の出穂間際の除草は斑点米カメムシ類の水田への侵入を助長するため、出穂10日前までに除草を終了する。
〇イネカメムシは他の斑点米カメムシ類と異なり、越冬地から水田に直接飛来してくるため、畦畔の除草による密度低減効果は低い。
〇出穂以降は水田内の斑点米カメムシ類の発生に注意し、確認した場合は薬剤防除を実施する。特に出穂が周辺より早い水田は斑点米カメムシ類が集中するため注意する。
〇斑点米カメムシ類(イネカメムシを除く)に対する薬剤散布は、穂揃期(成虫侵入期)とその7~10日後(幼虫ふ化期)の2回散布を行うと効果が高い。
〇イネカメムシに対する薬剤散布は、不稔対策として出穂期(成虫侵入期)に、斑点米対策として出穂期から7~10日後(幼虫ふ化期)に行うと効果が高い。
〇薬剤感受性の低下を避けるため、作用機構分類コードを参照し、異なる系統の薬剤をローテーション散布する。薬剤については「農薬安全使用指針・農作物病害虫防除基準」を参照する。
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