【注意報】水稲に穂いもち 県内全域で多発のおそれ 高知県2024年8月5日
高知県病害虫防除所は、水稲(普通期稲)にイネいもち病(穂いもち)が県内全域で多発のおそれがあるとして、8月2日に令和6年度病害虫発生予察注意報第3号を発表した。
写真1:進行型病斑(提供:高知県病害虫防除所)
高知県病害虫防除所によると、7月中下旬に実施した巡回調査では、葉いもちが平年の1.7倍と県下全域で発生が多かった。進行型病斑(写真1)が多く見られるほか、病斑が上位葉にまで進展しているほ場も多く見られる。中央部、中西部、西部ではずり込み症状を呈するほ場も確認されている(写真2、表1)。
写真2:葉いもちによるずり込み症状(提供:高知県病害虫防除所)
高知県版BLASTAM(アメダスデータを用いた葉いもち感染予測システム)では、7月中下旬に中山間部を中心に感染好適日が複数回出現しており、いもち病の多発生につながったと考えられる。
高松地方気象台が7月25日に発表した1か月予報では、晴れの日が多く、降水量はほぼ平年並と予想されているが、出穂期と曇雨天が重なった場合には、上位葉に形成された葉いもちの病斑から多量のいもち病菌の胞子が飛散し、穂への感染、発病による穂いもち(写真3)が多発することが予想される。
育苗箱処理剤を処理したほ場でも、今後残効切れに伴い発病が増加する恐れがある。
写真3:穂いもち(穂首いもち)の症状(提供:高知県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇穂いもちの防除適期は穂孕期および穂揃期で、薬剤の使用時期(収穫前日数)に注意して薬剤を選定する。
〇薬剤防除に関しては、県の「病害虫防除指針」を参照し、農薬の使用基準を遵守するとともに、周辺作物への薬剤の飛散に十分気をつける。
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