抑草効果を確認 島根県の田んぼで鳥型ロボット「雷鳥1号」実証実験 テムザック2024年8月7日
テムザックは、WORKROID農業プロジェクトの一環として、「雷鳥1号(雑草抑制モデル)」による雑草抑制効果と性能を検証する実証実験を、島根県吉賀町で実施。同実証により、「雷鳥1号」が水を濁らせることで雑草の光合成を阻害し、雑草の生育を抑える手法として有効であることが確認された。
島根の田んぼで稼働する雷鳥1号
"WORKROID農業"は、テムザックが2023年春から宮崎県延岡市で始めた、農業経験のない人でも取り組める省力化農業プロジェクト。長年培ってきたロボット技術を活かして、米粉用稲作に取り組んでいる。初年度は、農業ロボット「雷鳥シリーズ」を続々開発&投入し、労働時間を大幅に削減しながら、24アールの圃場から800キロ弱の米を収穫することに成功した。
このほど、異なる環境・地域・条件下でも、雷鳥1号の抑草効果があるかどうか、またロボット自体の性能を検証・分析する取り組みとして、島根県の米農家の協力を得て同実証を実施。雷鳥1号は、雑草生育阻害に一定の効果を確認できたと同時に、ロボットの構造や運用面における改善点も明らかになった。これに基づき、対策を講じるとともに、圃場条件を変えて実証を行い、さらなるブラッシュアップを図る。
「雷鳥1号(雑草抑制モデル)」は、稲の成長を妨げる雑草の抑制を目的とした自律移動ロボット。底面に付いたヒレ状の脚を動かして水を濁らせ、雑草の光合成を妨げることで雑草の成長を抑制する。ランダムで単純な動きをプログラミングしており、複数台を同時に稼働することで効率的に隅々まで撹拌できる。
雷鳥1号(雑草抑制モデル)
同社は今後、雑草抑制だけでなく、稲作にかかわる各作業(耕起・播種・害獣対策・収穫等)のロボット化を進め、2025年を目途に農業ロボット「雷鳥シリーズ」のラインアップを一通りの完成を予定。また、収穫したコメは米粉にして「雷粉」の名称で流通させることで収益性を高める取り組みも進めている。
条件不利地の耕作放棄地拡大の歯止めとなることを目指し、省力化を追求する米作りの実践、米粉の魅力発信と流通網の構築と、ロボットを使った新たな「稲作サービス」の仕組みづくりに取り組む。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(138)-改正食料・農業・農村基本法(24)-2025年4月19日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(55)【防除学習帖】第294回2025年4月19日
-
農薬の正しい使い方(28)【今さら聞けない営農情報】第294回2025年4月19日
-
若者たちのスタートアップ農園 "The Circle(ザ・サークル)"【イタリア通信】2025年4月19日
-
【特殊報】コムギ縞萎縮病 県内で数十年ぶりに確認 愛知県2025年4月18日
-
3月の米相対取引価格2万5876円 備蓄米放出で前月比609円下がる 小売価格への反映どこまで2025年4月18日
-
地方卸にも備蓄米届くよう 備蓄米販売ルール改定 農水省2025年4月18日
-
主食用МA米の拡大国産米に影響 閣議了解と整合せず 江藤農相2025年4月18日
-
米産業のイノベーション競う 石川の「ひゃくまん穀」、秋田の「サキホコレ」もPR お米未来展2025年4月18日
-
「5%の賃上げ」広がりどこまで 2025年春闘〝後半戦〟へ 農産物価格にも影響か2025年4月18日
-
(431)不安定化の波及効果【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月18日
-
JA全農えひめ 直販ショップで「えひめ100みかんいよかん混合」などの飲料や柑橘、「アスパラ」など販売2025年4月18日
-
商品の力で産地応援 「ニッポンエール」詰合せ JA全農2025年4月18日
-
JA共済アプリの新機能「かぞく共有」の提供を開始 もしもにそなえて家族に契約情報を共有できる JA共済連2025年4月18日
-
地元産小粒大豆を原料に 直営工場で風味豊かな「やさと納豆」生産 JAやさと2025年4月18日
-
冬に咲く可憐な「啓翁桜」 日本一の産地から JAやまがた2025年4月18日
-
農林中金が使⽤するメールシステムに不正アクセス 第三者によるサイバー攻撃2025年4月18日
-
農水省「地域の食品産業ビジネス創出プロジェクト事業」23日まで申請受付 船井総研2025年4月18日
-
日本初のバイオ炭カンファレンス「GLOBAL BIOCHAR EXCHANGE 2025」に協賛 兼松2025年4月18日
-
森林価値の最大化に貢献 ISFCに加盟 日本製紙2025年4月18日