【注意報】果樹全般に果樹カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 神奈川県2024年8月19日
神奈川県農業技術センターは、果樹全般に果樹カメムシ類が県下全域で多発のおそれがあるとして、8月14日に令和6年度病害虫発生予察注意報第2号を発表した。
神奈川県農業技術センターによると、予察灯における7月1半旬~8月1半旬のチャバネアオカメムシ誘殺数は、伊勢原市三ノ宮で平年の2.3倍(本年1万3412頭、平年5750頭)、小田原市根府川で4.7倍(本年8455頭、平年1793頭)(図1)。
クサギカメムシ誘殺数は、伊勢原市三ノ宮で平年の6.0倍(本年4556頭、平年754頭)、小田原市根府川で4.9倍(本年1478頭、平年300頭)となっている(図2)。
フェロモントラップにおける7月1半旬~8月1半旬のチャバネアオカメムシ誘殺数は、伊勢原市上粕屋で平年の2.7倍(本年2578頭、平年951頭)、小田原市根府川で9.4倍(本年4754頭、平年505頭)(図3)。
南足柄市怒田で平年の6.7倍(本年4047頭、平年600頭)となっている。7月の巡回調査において、ナシの被害果率(発生度)が過去10年間で最も高い。
図1:予察灯におけるチャバネアオカメムシ成虫誘殺数の推移,図2:予察灯におけるクサギカメムシ成虫誘殺数の推移,図3:フェロモントラップにおけるチャバネアオカメムシ成虫誘殺数の推移
ヒノキ球果枝における7月上旬~8月上旬のチャバネアオカメムシ成虫寄生頭数は、平年の3.7倍(本年49.2頭、平年13.4頭)となっている。餌であるヒノキ球果におけるカメムシ類の口針鞘数(県西部5地点調査)は、7月下旬に平均23.2本/果実、8月上旬に同39.6本/果実と、8月上旬に、ヒノキからカメムシが離脱する目安とされる25本/果実を超え、すでに離脱が始まったと考えられる地点がある。平年では9月下旬から離脱が始まるため、今年は果樹園への飛来が早いと考えられる。
以上から、今後ヒノキから離脱分散した成虫が果樹園に飛来すると考えられるため、8月~10月に被害が多くなると予想される。
気象庁が7月23日に発表した向こう3か月の気象予報は、気温が平年より高いことから、果樹カメムシ類の活動および新世代成虫の増殖に好適な条件となる。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇果樹園の内外を見回り、発生を認めたら直ちに防除する。山際のほ場、特にヒノキ・スギ林に隣接する果樹園は、急激に発生が増加することがあるため注意する。また、台風通過後に飛来が多くなる場合があることにも留意する。
〇チャバネアオカメムシには黄色防蛾灯が有効とされている。
〇農薬使用の際は、必ずラベルの記載事項を確認し使用基準を遵守する。合成ピレスロイド剤や有機リン剤は天敵類に影響を及ぼし、ハダニ類やカイガラムシ類が増えることがあるので留意する。
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】JA全農(2025年1月1日付)2024年11月21日
-
【地域を診る】調査なくして政策なし 統計数字の落とし穴 京都橘大学教授 岡田知弘氏2024年11月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】国家戦略の欠如2024年11月21日
-
加藤一二三さんの詰め将棋連載がギネス世界記録に認定 『家の光』に65年62日掲載2024年11月21日
-
地域の活性化で「酪農危機」突破を 全農酪農経営体験発表会2024年11月21日
-
全農いわて 24年産米仮渡金(JA概算金)、追加支払い2000円 「販売環境好転、生産者に還元」2024年11月21日
-
鳥インフル ポーランドからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
鳥インフル カナダからの生きた家きん、家きん肉等の輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
JAあつぎとJAいちかわが連携協定 都市近郊農協同士 特産物販売や人的交流でタッグ2024年11月21日
-
どぶろくから酒、ビールへ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第317回2024年11月21日
-
JA三井ストラテジックパートナーズが営業開始 パートナー戦略を加速 JA三井リース2024年11月21日
-
【役員人事】協友アグリ(1月29日付)2024年11月21日
-
畜産から生まれる電気 発電所からリアルタイム配信 パルシステム東京2024年11月21日
-
積寒地でもスニーカーの歩きやすさ 防寒ブーツ「モントレ MB-799」発売 アキレス2024年11月21日
-
滋賀県「女性農業者学びのミニ講座」刈払機の使い方とメンテナンスを伝授 農機具王2024年11月21日
-
オーガニック日本茶を増やす「Ochanowa」有機JAS認証を取得 マイファーム2024年11月21日
-
11月29日「いい肉を当てよう 近江牛ガチャ」初開催 ここ滋賀2024年11月21日
-
「紅まどんな」解禁 愛媛県産かんきつ3品種「紅コレクション」各地でコラボ開始2024年11月21日
-
ベトナム南部における販売協力 トーモク2024年11月21日
-
有機EL発光材料の量産体制構築へ Kyuluxと資本業務提携契約を締結 日本曹達2024年11月21日