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【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 台風後に注意 静岡県2024年8月30日

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静岡県病害虫防除所は、かんきつ、落葉果樹(なし、かき、キウイフルーツ等)に果樹カメムシ類(チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシ)が県内全域で多発のおそれがあるとして、8月29日に令和6年度病害虫発生予察注意報第5号を発表。特に、台風・暴風雨後、急激に発生が増加する場合があるため注意を呼びかけている。

【注意報】かんきつ、落葉果樹に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 静岡県-図1,2.jpg静岡県病害虫防除所によると、県内4か所の予察灯における8月1~20日の合計誘殺数の平均は、1586頭(平年152頭、平年比10.4倍)と平年より多かった(図1)。

内訳は、チャバネアオカメムシが926頭(平年366頭)、ツヤアオカメムシが325頭(平年66.8頭)、クサギカメムシが335頭(平年121頭)。

県内6か所のフェロモントラップにおける8月1~20日の合計誘殺数の平均は、295頭(平年167頭、平年比1.8倍)と平年より多かった(図2)。

内訳は、チャバネアオカメムシが292頭(平年159頭)、ツヤアオカメムシが0.8頭(平年5.8頭)、クサギカメムシが2.9頭(平年2.1頭)。

ヒノキ・スギ球果の着果量(指数)は、県平均7.1(平年4.4、平年比1.6倍)と平年より多かった。果樹カメムシ類は球果を餌として増殖するため、着果量が多いと本虫は増えやすくなる。

【注意報】かんきつ、落葉果樹に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 静岡県-図3、4.jpg

8月のヒノキ球果における平均寄生数は、10結果枝あたり13.1頭(平年3.1頭、平年比4.2倍)と平年より多かった(図3)。

また、8月のヒノキ球果における球果1個あたりの果樹カメムシ類の吸汁痕数は、平均15.2(平年10.1、平年比1.5倍)と平年より多かった(図4)。

なお、ヒノキ球果における吸汁痕数が25を超えると、同虫はヒノキから離脱し、餌を求めて果樹園に飛来するとされている。

果樹関係の病害虫防除員18人からの報告によると、同虫の発生について9人が「多い」または「やや多い」と回答。また、一部の果樹園で本虫の飛来を確認したとの情報が複数寄せられている。

名古屋地方気象台が8月22日に発表した1か月予報では、降水量は平年より多いが、気温は平年より高いため、発生を助長する。

【注意報】かんきつ、落葉果樹に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 静岡県-図5.jpg

果樹カメムシ類が急増し、ヒノキ・スギ球果を吸い尽くすと、新たな餌を求めて果樹園へ飛来し、果実を加害する恐れがある(図5)。

同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

〇ヒノキ球果での本虫吸汁痕数をもとにした予測式(堤、2003)によるヒノキからの離脱予測日(果樹園への飛来予測日)は、9月5~10日頃(地域により異なる)と予想される。ただし、吸汁痕数が最も多い地点での飛来予測日は8月29日頃と予想される。

〇果樹カメムシ類の飛来に細心の注意を払い、ほ場で少数でも発生を確認したら、集合フェロモンを放出し大量飛来を招く前に直ちに薬剤防除を行う。また、成虫の移動範囲は広いため、地域での一斉防除が効果的。なお、ヒノキ・スギ林の隣接地域(特に中山間地)や台風・暴風雨後の園地では、急激に発生が増加する場合があるので注意する。

〇薬剤防除については、静岡県病害虫防除所による「静岡県農薬安全使用指針・農作物病害虫防除基を参照。なお、薬剤の選択に際しては収穫前日数に注意する。

〇静岡県病害虫防除所ホームページ「害虫誘殺グラフ」では、果樹カメムシ類に関する各種情報(予察灯及びフェロモントラップにおける発生状況、ヒノキ・スギ球果の着果量、球果における寄生数、ヒノキ球果での吸汁痕数、果樹園への飛来予測日等)を随時提供している。

〇果樹カメムシ類の発生は例年10月末で終息するが、最高気温が20℃を超える場合は11月でも発生することがあるため注意する。

〇不明な点については病害虫防除所、農林技術研究所果樹研究センター、農林事務所等の指導機関に問い合わせを。

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