土と作物を守る防風林の効果を畑の畝の形から可視化 森林総研2024年9月9日
森林総合研究所、北海道立総合研究機構(道総研)森林研究本部林業
試験場、農研機構北海道農業研究センター、京都府立大学、苫小牧工業高等専門学校の研究グループは、ジャガイモ畑の畝の高さを指標とすることで、防風林が土壌侵食を防ぐ効果(風食防止効果)を高精細かつ簡便に可視化できることを明らかにした。
防風林は畑の表土の喪失や大規模な風害発生を防ぐ重要な役割があるが、農作業の効率化のため減少が進み、特に北海道で顕著となっている。防風林の取り扱いを農家が決めるには、防風林の効果を可視化する必要があった。
同研究では、強風による農地の土壌侵食の程度を表す指標としてジャガイモ畑の畝の高さを設定し、ドローンによる計測結果を用いることで、防風林の風食防止効果を高精細に可視化することに世界で初めて成功(図1)。また、ドローンの代わりに、レーザースキャナを搭載したiPadやiPhoneも畝の計測に有効で、身近な機器を活用して地域住民自身が簡便に防風林の効果を把握できることも示した。
さらに、同研究では計測したiPadのデータから畝の立体模型を3Dプリンタで作成。この模型は防風林の風食防止効果を可視化、可触化する教材として防災教育や環境教育(木育)に活用されている(図2)。
同研究成果は3月12日、『Computers and Electronics in Agriculture』誌でオンライン公開された。
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