【特殊報】宿根アスターにアワダチソウグンバイ 県内で初めて確認 秋田県2024年10月3日
秋田県病害虫防除所は、宿根アスターにアワダチソウグンバイの発生を県内で初めて確認。これを受けて、10月3日に令和6年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表した。
図1:アワダチソウグンバイの成虫(提供:秋田県病害虫防除所)
秋田県病害虫防除所によると、8月中旬に県中央部で栽培されている宿根アスターで、葉に白いかすり状の脱色斑点が見られ、葉に寄生するグンバイムシ類の成幼虫が確認された。農林水産省横浜植物防疫所に同定を依頼したところ、寄生していたグンバイムシ類は海外からの侵入害虫であるアワダチソウグンバイであることが確認された。
秋田県で農作物におけるアワダチソウグンバイの加害が認められたのは初めての事例。同種は北米原産で、2000年に兵庫県で初確認後、日本各地で発生が確認されている。
アワダチソウグンバイの成虫(図1)の体長は約3mmで、体の周囲や背面に鋭い棘が並んでいる。背面には不定形な茶色の斑紋があるが、翅の先方向では横条斑となる。終齢幼虫は体長約1.8mm、黄褐色で翅芽の基部や腹部の基部がやや褐色になる。
図2:アワダチソウグンバイの幼虫(提供:秋田県病害虫防除所)
成虫、幼虫(図2)は、葉裏に寄生し、葉を吸汁加害。特に幼虫は集団で加害する。被害葉には白いかすり状の脱色斑点(図3)が見られる他、茎葉には黒い排泄物が見られる。被害が甚だしい場合は、葉の枯死、落葉が見られる。
図3:宿根アスターのかすり状の脱色斑点(提供:秋田県病害虫防除所)
同虫の主な寄主はアスター、きく、ひまわり、ごぼう、セイタカアワダチソウ、ブタクサなどのキク科植物で、なす、さつまいもへの加害も報告されている。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ほ場周辺のセイタカアワダチソウやブタクサなどのキク科雑草は、発生源となるので早期に除
草を行う。
〇宿根アスターではアワダチソウグンバイに対する適用農薬はないが、きく、きく(葉)、食用ぎくではコテツフロアブル(2000倍、2回以内)、ひまわりではアースガーデン4(原液、2回以内)が登録されている。
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