【注意報】野菜類、花き類、大豆にチョウ目害虫 県内全域で多発のおそれ 熊本県2024年10月4日
熊本県病害虫防除所は、野菜類、花き類、大豆にチョウ目害虫(ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウ、オオタバコガ)が県内全域で多発のおそれがあるとして、10月2日に令和6年度病害虫発生予察注意報第8号を発表した。
写真1:ハスモンヨトウ。トマト葉上の卵塊(左)、中齢幼虫と大豆の葉の食害(中央)、
ハスモンヨトウ幼虫による大豆の被害(白変葉)(提供:熊本県病害虫防除所)
熊本県病害虫防除所によると、県内に設置したフェロモントラップにおける9月第1半旬~第6半旬のチョウ目害虫の誘殺数が多い状況だった。ハスモンヨトウは合志市・八代市で平年比多、シロイチモジヨトウは合志市で平年比多、オオタバコガは合志市・八代市・阿蘇市・山都町で平年比多だった。いずれの害虫も9月第3半旬頃から急激な増加が見られる。
福岡管区気象台が9月26日に発表した九州北部1か月予報によると、向こう1か月の気温は平年より高い予想で、チョウ目害虫の活動に好適な条件が継続する。
写真2:オオタバコガ。キク葉上の若齢幼虫(左)、老齢幼虫のトマト果実への食入(提供:熊本県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ほ場を見回り、葉や果実、花蕾における新しい食害痕や虫糞の早期発見に努め、幼虫を見つけ次第捕殺する。ハスモンヨトウやシロイチモジヨトウは、卵塊や分散前のふ化幼虫を発見し除去できると効果的。オオタバコガは、卵塊ではなく1個ずつ葉や花に産卵し、卵や若齢幼虫は見つけにくいため、食害痕の早期発見に努める。
〇いずれの害虫も、老齢幼虫になると薬剤の効果が劣るため、防除効果の高い若齢幼虫を対象に薬剤防除を行う。特にオオタバコガは、中老齢幼虫になると果実や結球葉菜の中に食入するため、食入前の早期防除を徹底する。
〇イチゴ等のビニル被覆前の施設栽培では、成虫が施設内に侵入・産卵するおそれがあるため、全面を被覆するまでは特に防除対策を徹底する。
〇施設栽培では目合い4mm以下の防虫ネットを展張し、成虫の侵入を抑制する。なお、ハスモンヨトウは防虫ネット上にも産卵し、孵化幼虫が侵入するため、ネット上の卵塊は見つけ次第除去する。
〇摘心、摘花、摘葉した残渣には卵や若齢幼虫が寄生している可能性があるため、ほ場外に持ち出す。
〇薬剤抵抗性の発達を防ぐため、系統の異なる薬剤のローテーション使用を行う。また、薬剤の使用時にはラベルに書いてある登録内容を確認して使用する。
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