【注意報】野菜類、花き類、ダイズにシロイチモジヨトウ 県内全域で多発のおそれ 愛知県2024年10月7日
愛知県農業総合試験場は、野菜類、花き類、ダイズにシロイチモジヨトウが県内全域で多発のおそれがあるとして、10月4日に令和6年度病害虫発生予察注意報第9号を発表した。
愛知県農業総合試験場によると、フェロモントラップの8月第6半旬から9月第5半旬までの総誘殺数は、長久手市(露地畑ほ場)で634頭(平年119.8頭、前年624頭)で、過去10年間と比較して最も多い。
田原市(キャベツほ場)では1211頭(過去5年平均647.6頭、前年705頭)で、過去5年間と比較して最も多い。
図1:フェロモントラップにおけるシロイチモジヨトウの誘殺数
また、豊橋市(ハクサイほ場)では2095頭(過去7年平均1457.3頭、前年3030頭)で、過去7年間と比較して2番目に多い。西尾市(ダイズほ場)では1340頭(過去5年平均978.4頭、前年1330頭)と過去5年間と比較して2番目に多い。(図1)
9月下旬にキャベツほ場で実施した巡回調査(10地点20ほ場)において、シロイチモジヨトウの寄生株率は7.85%(平年1.49%、昨年3.30%)で過去10年間と比較して最も高い。
名古屋地方気象台が10月3日に発表した1か月予報では、向こう1か月の気温は、高いと予想。シロイチモジヨトウの発生に好適な条件となる。
図2:成虫(提供:愛知県農業総合試験場)
成虫は暗灰褐色、体長約12mmの蛾で、前翅の中央部に黄褐色の円形斑紋がある(図2)。卵は黄褐色、約0.5mmのまんじゅう型、卵塊で産卵され、表面は灰褐色の毛で覆われる。幼虫の体色は多様で、緑色から黒紺色まで個体差が大きい。老齢幼虫になると、腹部の側面の線が白く明瞭になり、気門線の腹縁部が桃色を呈し、体長約30mmとなる(図3)。
図3:老齢幼虫(提供:愛知県農業総合試験場)
ふ化後しばらくは集団で生息し、齢が進むにつれて次第に分散。成虫は4月から11月頃に、年4~5回発生する。非常に広食性で、キャベツのほか、ハクサイ、ダイコン、ネギ、ホウレンソウ、ダイズなど、50種以上の野菜類や花き類におよぶ。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇分散前の幼虫の集団や卵塊は、見つけ次第捕殺する。
〇齢の進んだ幼虫には薬剤効果が低下するため、若齢幼虫のうちに防除する。
参考:農林水産省農薬登録情報提供システム
〇一部の薬剤に対して感受性が低下している事例が確認されているため、異なる系統でのローテーション防除を徹底する。
〇施設栽培では成虫の飛び込みに注意し、開口部を防虫ネットで被覆する。
〇ほ場内及び周辺の雑草は増殖源になるため除去する。
重要な記事
最新の記事
-
米農家(個人経営体)の「時給」63円 23年、農業経営統計調査(確報)から試算 所得補償の必要性示唆2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(1)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(2)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
変革恐れずチャレンジを JA共済連入会式2025年4月2日
-
「令和の百姓一揆」と「正念場」【小松泰信・地方の眼力】2025年4月2日
-
JAみやざき 中央会、信連、経済連を統合 4月1日2025年4月2日
-
サステナブルな取組を発信「第2回みどり戦略学生チャレンジ」参加登録開始 農水省2025年4月2日
-
JA全農×不二家「ニッポンエール パレッティエ(レモンタルト)」新発売2025年4月2日
-
姿かたちは美しく味はピカイチ 砂地のやわらかさがおいしさの秘密 JAあいち中央2025年4月2日
-
県産コシヒカリとわかめ使った「非常時持出米」 防災備蓄はもちろん、キャンプやピクニックにも JAみえきた2025年4月2日
-
霊峰・早池峰の恵みが熟成 ワイン「五月長根」は神秘の味わい JA全農いわて2025年4月2日
-
JA農業機械大展示会 6月27、28日にツインメッセ静岡で開催 静岡県下農業協同組合と静岡県経済農業協同組合連合会2025年4月2日
-
【役員人事】農林中金全共連アセットマネジメント(4月1日付)2025年4月2日
-
【人事異動】JA全中(4月1日付)2025年4月2日
-
【スマート農業の風】(13)ロボット農機の運用は農業を救えるのか2025年4月2日
-
外食市場調査2月度 市場規模は2939億円 2か月連続で9割台に回復2025年4月2日
-
JAグループによる起業家育成プログラム「GROW&BLOOM」第2期募集開始 あぐラボ2025年4月2日
-
「八百結びの作物」が「マタニティフード認定」取得 壌結合同会社2025年4月2日
-
全国産直食材アワードを発表 消費者の高評価を受けた生産者を選出 「産直アウル」2025年4月2日
-
九州農業ウィーク(ジェイアグリ九州)5月28~30日に開催 RXジャパン2025年4月2日