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昆虫の幼虫状態を保ち続ける重要な遺伝子を発見 農研機構2024年10月9日

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農研機構を中心とした研究グループは、昆虫の幼虫状態を保つために重要な新たな遺伝子を発見。この遺伝子は、幼若ホルモンを作るために必要な複数の酵素遺伝子の働きを一括して制御する、司令塔の役割をしていることが明らかになった。同成果は、昆虫の発育を制御するメカニズムを理解するために重要な発見であり、将来的に害虫や有用昆虫の発育を制御する技術開発に貢献することが期待される。

図1:昆虫の脱皮・変態と幼若ホルモン図1:昆虫の脱皮・変態と幼若ホルモン

昆虫が十分な大きさの成虫になるには、幼虫状態を保ちながら盛んに餌を食べて、成長することが必要。昆虫が幼虫状態を保つには、幼若ホルモンという昆虫特有のホルモンが不可欠となる。

幼若ホルモンは、昆虫の脳につながっているアラタ体と呼ばれるとても小さな器官で作られるが、どうしてアラタ体だけが幼若ホルモンを作ることができるのかは、これまでよくわかっていなかった。

農研機構を中心とした研究グループは、幼虫期にアラタ体のみで使われている遺伝子を解析し、幼若ホルモンを作るために必要な新たな遺伝子を発見。この遺伝子が働かないように人為的に操作すると、アラタ体で幼若ホルモンが作られなくなる。その結果、幼虫状態を保てなくなり、通常より早くサナギに変態し、小さな成虫になる。

また、この遺伝子は、幼若ホルモンを作るために必要な複数の酵素遺伝子の働きを一括して制御していることも明らかになった。今後、発見した遺伝子についてさらに詳しい解析を進める。また、害虫に対しては環境負荷の少ない新しい農薬に結びつける研究開発を、有用昆虫に対しては発育を思い通りにコントロールするための技術開発を目指す。

同成果は9月30日、アメリカの科学雑誌『PNAS Nexus』にオンライン発表された。

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