AIで病害虫の発生を予測 防除DXアプリ「TENRYO」JA豊橋が導入 ミライ菜園2024年10月24日
「農家の経営リスクを最小化する」をミッションとするミライ菜園は、AIによる病害虫予測サービスを提供する防除DXアプリ「TENRYO(テンリョウ)」を開発。10月から、JA豊橋に初めてサービスの導入が決まった。
「TENRYO」は、各地の20年分の気象データと、アプリユーザーから集まる発生履歴を照らし合わせ、独自のAIで病害虫の発生を「予測」する防除DXアプリ。キャベツ、ブロッコリー、トマト、玉ねぎ、キュウリ、いちご、大根の7種の農作物に対応している。
AIによる発生警戒アラートで適切なタイミングで防除を実施できるようになるほか、危険度が高まっている病害虫に絞って対策できるため、農薬の使用量を必要最小限にすることが可能となる。
同社はアプリ開発にあたり、2022年から愛知県、群馬県のJAと連携し、約50軒の農家にて実証実験を重ねてきた。中には15%の収量増を達成した若手ブロッコリー農家や、AI予報を参考にして臨時で防除を行った結果、収量が4%増加したベテランキャベツ農家もいるなど、開発段階から高い効果を発揮している。
今回サービスを導入するJA豊橋では、農家へ栽培技術や経営についてアドバイスする「営農指導」や、農薬散布スケジュールを知らせる「一斉防除」への活用を予定。これまで同組合では、病害虫の細かな発生情報は個々の指導員が管理してきたが、外出先等で一元化した情報にアクセスしづらく、情報共有の面で課題があった。
このアプリでは、マップ上にユーザーからの発生報告が随時共有されるため、地域の発生状況が、どこでもリアルタイムで可視化。 気候変動や異常気象により、病害虫の発生予測がより難しくなるなか、これまでの経験で培った指導員のノウハウに加え、AIなどの最新技術を活用した指導を組み合わせることで、より高度な営農指導を目指す。
JA豊橋で防除DXアプリ「TENRYO」を活用した営農指導の様子(豊橋市内)
同アプリの導入にあたり、JA豊橋 営農部指導推進課の金井優策氏は「従来、病害虫に関する情報収集は「フェロモントラップ」(害虫のみ)を活用していましたが、設置・回収・集計に多くの時間を要していた。『TENRYO』の導入で、フェロモントラップ関連の作業時間を削減し、その時間を農家訪問に充当できると期待している」とコメントしている。
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