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【特殊報】キュウリCABYV 県内で初めて確認 福島県2024年11月13日

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福島県病害虫防除所は、キュウリにCucurbit aphid-borne yellows virus(CABYV)を県内で初めて確認。これを受けて、11月13日に令和6年度病害虫発生予察特殊報第3号を発表した。

写真1:葉の一部の黄化症状(提供:福島県病害虫防除所)写真1:葉の一部の黄化症状(提供:福島県病害虫防除所)

福島県病害虫防除所によると、9月に福島県中通り地方の露地キュウリほ場において、葉に退緑及び黄化症状を示す株が認められた。横浜植物防疫所で、RTPCR法による検定およびその増幅産物による塩基配列の系統解析を行った結果、CABYVの感染を確認した。

同ウイルスは、1988年にフランスにおいて、キュウリやメロン等で初めて発生が確認され、それ以降、海外40か国以上で主にウリ科野菜に被害を及ぼしている。国内では、2月に京都府のキュウリにおける国内初の特殊報が発表。また、9月に滋賀県でキュウリとメロンにおける特殊報が発表された。

写真2:葉の全体の黄化症状(提供:福島県病害虫防除所)写真2:葉の全体の黄化症状(提供:福島県病害虫防除所)

病徴は、葉の一部が退緑及び黄化し(写真1)、後に葉全体が黄化する(写真2)。さらに症状が進むと、株全体の葉が黄化する(写真3)。同ウイルスに感染した株は着果不良によって、収量が大きく低下。海外ではキュウリで最大51%の収量の低下が報告されている。

写真3:株全体での黄化症状病(提供:福島県病害虫防除所)写真3:株全体での黄化症状病(提供:福島県病害虫防除所)

同ウイルスの伝搬方法として、海外ではワタアブラムシやモモアカアブラムシ等のアブラムシ類によって媒介されると報告されている。滋賀県の報告では、メロンでワタアブラムシによる媒介が確認。なお、汁液感染及び土壌感染は確認されていない。

媒介虫は、罹病植物を吸汁することで同ウイルスを獲得し、一度ウイルスを獲得すると永続伝搬するが、経卵伝染はしない。

同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

(1)ウイルスを媒介するアブラムシ類の防除を徹底する。
〇苗からアブラムシ類を持ち込まないよう注意する。
〇施設栽培では、施設開口部に0.8mm目合い以下の防虫ネットを展張し、施設内への侵入を防ぐ。露地栽培では、シルバーマルチやシルバーテープの利用により、飛来を抑制する。
〇ほ場周辺の雑草は、アブラムシ類の発生源となるため、除草を徹底する。
〇アブラムシ類の薬剤抵抗性の発達を防ぐため、薬剤は必ず異なる系統をローテーション散布する。
〇施設栽培では、アブラムシ類を周辺に分散させないため、栽培終了後に全ての株を地際部から切断または抜根し、施設を密閉して死滅させる。

(2)発病株は直ちに抜き取り、ほ場外に持ち出して処分するか、土中に深く埋め込む等適切に処分する。

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