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【特殊報】オリーブにオリーブ立枯病 県内で初めて確認 滋賀県2024年11月15日

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滋賀県病害虫防除所は、オリーブほ場でオリーブ立枯病を県内で初めて確認。これを受けて、11月14日に令和6年度病害虫発生予察特殊報第3号を発表した。

写真2:幹内部の変色と写真3:変色部から の 菌泥の漏出(矢印部)(提供:滋賀県病害虫防除所)

写真2:幹内部の変色と写真3:変色部から の 菌泥の漏出(矢印部)(提供:滋賀県病害虫防除所)

写真1:発病樹の 葉枯れ(上)と枯死(下)(提供:滋賀県病害虫防除所)のサムネイル画像写真1:発病樹の 葉枯れ(上)と枯死(下)(提供:滋賀県病害虫防除所)

滋賀県病害虫防除所によると、8月に滋賀県北部のオリーブほ場で、葉が褐変し、萎凋・枯死する株が認められた(写真1)。症状の見られた樹では幹の内部が変色しており(写真2)、変色部からは菌泥(細菌の集合体が粘液状になったもの)の漏出が認められた(写真3)。

滋賀県病害虫防除所において、マルチプレックスPCR法による検定を実施したところ、Ralstonia solanacearum(phylotypeⅠ)と同定。同病はオリーブ立枯病であることが判明した。国内での同病の発生は、2018年に香川県で初めて確認。その後、鹿児島県、宮崎県、広島県、静岡県、三重県で報告されている。

オリーブ立枯病の病徴としては、葉枯れや落葉、果実の萎凋(写真1)を生じ、その後、樹全体が枯死する。症状の出ている幹の断面はにじむように褐変している(写真2)。また、病原菌の特性として、Ralstonia solanacearumは、トマトやナスなどのナス科植物やイチゴ、ダイコン、ショウガなど多数の植物に青枯病を引き起こす土壌伝染性細菌となる。

オリーブにおける感染経路は明らかにされてないが、 一般的に青枯病菌は土壌中に生息し、植物の根の傷口から侵入。その後、維管束部で増殖し、地上部を萎凋させる。また、収穫や剪定などの管理作業でも発病株から健全株へ伝染する。

同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

(1)オリーブ立枯病に対する登録農薬はなく、汚染された土壌から本病原菌を完全に除去することは困難であるため、耕種的防除が基本となる。

(2)管理作業による伝染を防止するため、剪定バサミやノコギリなどの用具の消毒(70%エタノールや200ppm(0.02%)以上の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の噴霧)を行う。

(3)発病や感染が疑われる樹の剪定作業などは最後に行う。

(4)ほ場へ出入りする際は、衣服や帽子、手袋から土を払い落とし、靴や手袋の消毒を行う。

(5)ナス科作物の青枯病など、本菌を原因とする病気の発生が過去にあったほ場の利用を避ける。

(6)発病樹は伝染源となることから、速やかに抜根・除去し、残渣をほ場外に持ち出して焼却するなどして適切に処分する。

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