外来DNAを用いないゲノム編集 ダイズで初めて成功 北大、京大、農研機構2024年11月19日
北海道大学大学院農学研究院の山田哲也講師、株式会社カネカ 食糧生産支援Strategic Unit、京都大学大学院農学研究科の丸山伸之教授、農研機構 生物機能利用研究部門の今井亮三エグゼクティブリサーチャーらの研究グループは、外来DNAを導入せずにダイズのゲノム編集を行うことに世界で初めて成功。また、複数のダイズ品種においてアレルゲン遺伝子を対象にしたゲノム編集に成功した。同研究で開発した技術は、作物の迅速な品種改良に貢献できると考えられる。
DNAを用いないダイズのゲノム編集方法のイメージ。外来DNAを導入することなくゲノム編集個体が作出できる。
同研究グループは、iPB-RNP法を利用することで、外来DNAを導入しないダイズのゲノム編集に世界で初めて成功した。
CRISPR/Cas9システムを用いてゲノム編集植物を作成する場合、外来DNAを植物のゲノムに導入し、ゲノム編集酵素であるガイドRNAとCas9タンパク質を植物の細胞内で産生させた後、ゲノム編集が生じた細胞から植物体を再生させる方法が一般的。しかし、外来DNAの導入や、植物体の再生が非常に困難なダイズ品種もある。さらに、ゲノム編集個体の実用化を考慮した場合、最終的に導入した外来DNAを取り除く必要があるため、外来DNAの導入と組織培養を伴わないダイズゲノム編集法の確立が強く求められていた。
同研究では、ダイズの複数品種を対象に外来DNAを導入することなく、胚軸の生長点にガイドRNAとCas9タンパク質の複合体を物理的に導入してゲノム編集個体を作出。日本のダイズ品種「ユキホマレ」、「エンレイ」や「フクユタカ」を用いて、アレルゲンタンパク質の一つであるGly m Bd 30Kと呼ばれるタンパク質を作らないゲノム編集個体を作出した。
この方法を利用すれば、これまでゲノム編集が難しかった品種についてもゲノム編集を行うことができ、新たな品種改良方法としての利用が期待される。
同研究成果は9月23日公開の『Plant Physiology』誌にオンライン掲載された。
重要な記事
最新の記事
-
米農家(個人経営体)の「時給」63円 23年、農業経営統計調査(確報)から試算 所得補償の必要性示唆2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(1)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
移植水稲の初期病害虫防除 IPM防除核に環境に優しく(2)【サステナ防除のすすめ2025】2025年4月2日
-
「令和の百姓一揆」と「正念場」【小松泰信・地方の眼力】2025年4月2日
-
JAみやざき 中央会、信連、経済連を統合 4月1日2025年4月2日
-
サステナブルな取組を発信「第2回みどり戦略学生チャレンジ」参加登録開始 農水省2025年4月2日
-
JA全農×不二家「ニッポンエール パレッティエ(レモンタルト)」新発売2025年4月2日
-
姿かたちは美しく味はピカイチ 砂地のやわらかさがおいしさの秘密 JAあいち中央2025年4月2日
-
県産コシヒカリとわかめ使った「非常時持出米」 防災備蓄はもちろん、キャンプやピクニックにも JAみえきた2025年4月2日
-
霊峰・早池峰の恵みが熟成 ワイン「五月長根」は神秘の味わい JA全農いわて2025年4月2日
-
JA農業機械大展示会 6月27、28日にツインメッセ静岡で開催 静岡県下農業協同組合と静岡県経済農業協同組合連合会2025年4月2日
-
【役員人事】農林中金全共連アセットマネジメント(4月1日付)2025年4月2日
-
【人事異動】JA全中(4月1日付)2025年4月2日
-
【スマート農業の風】(13)ロボット農機の運用は農業を救えるのか2025年4月2日
-
外食市場調査2月度 市場規模は2939億円 2か月連続で9割台に回復2025年4月2日
-
JAグループによる起業家育成プログラム「GROW&BLOOM」第2期募集開始 あぐラボ2025年4月2日
-
「八百結びの作物」が「マタニティフード認定」取得 壌結合同会社2025年4月2日
-
全国産直食材アワードを発表 消費者の高評価を受けた生産者を選出 「産直アウル」2025年4月2日
-
九州農業ウィーク(ジェイアグリ九州)5月28~30日に開催 RXジャパン2025年4月2日
-
「JPFA植物工場国際シンポジウム」9月1、2日に開催 植物工場研究会2025年4月2日