三菱総合研究所と「宙炭」による収量増加と環境負荷低減の両立を実証 TOWING2024年12月11日
TOWINGと三菱総合研究所(MRI)は、3月から宮崎県で実施していたカーボンファーミングの圃場実証を完了。TOWINGが開発した高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を散布して、作物収量の12%増加と1.3トン相当のCO2吸収という効果を確認した。
圃場実証の概要
TOWINGとMRIは、食料・農林水産業の生産力向上や温室効果ガスの削減や持続可能な食料生産システムの実現を目指し、3月から実施してきた高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を用いたカーボンファーミングの圃場実証で、宮崎県の主要作物であるサトイモを対象に収量増加などの効果を検証した。
同実証試験は宮崎県の協力のもと、環境に配慮した、持続可能な農業生産に積極的に取り組む農業生産法人のイシハラフーズと新福青果の圃場で実施。3月から11月の実証期間中に宙炭をイシハラフーズ10アール、新福青果5アールに散布した。
図:収穫されたサトイモ※左(試験区)が宙炭を散布したもの、右(対照区)と比べて株の重量が増加)撮影:三菱総合研究所)
今回の実証で、2つの生産法人によって収穫されたサトイモの一株あたり重量は12%増加した。宙炭の散布により土壌環境が改善し、生育過程におけるサトイモの根が成長(図参照)。これが芋の個数や重量を増加させた主な要因と考えられる。
宙炭を散布すると、空気中の二酸化炭素は土壌に固定され、今回は計1.3トン(CO2換算)に相当する量が固定された。これらの炭素固定は、TOWINGがJ-クレジットを発行予定。
今回の実証試験の結果から、農業における収量向上と環境負荷低減を両立しうる技術として、「高機能バイオ炭」が有効であることが改めて確認された。今後、これら技術の社会実装に向けて、原料の調達から生産者への販売までのバリューチェーンの構築や、経済性の確保(原料調達コスト、輸送コスト、散布コストの削減、等)が課題で、その一つの解決策が地域内資源循環の創出となる。
TOWINGとMRIは、生産性向上と環境負荷低減の両立を目指し、宮崎県を中心に有機性廃棄物由来の高機能バイオ炭製造・農地利用などのさまざまな取り組みを進める。
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