【注意報】カンキツ類にミカンナガタマムシ 県内全域で多発 神奈川県2024年12月23日
神奈川県農業技術センターは、カンキツ類にミカンナガタマムシの被害が県内で増加のおそれがあるとして、12月20日に令和6年度病害虫発生予察注意報第3号を発表した。
神奈川県農業技術センターによると近年、県西部を中心にミカンナガタマムシによる被害が拡大。また、巡回調査においても、10月以降被害が確認される園地が急激に増加している。
今年は6月から9月にかけて、高温および日照時間の多い傾向が続き、7月と9月は降水量が少なかった。こうした気象要因から樹勢の低下が進み、秋以降の被害の多発を招いたと推測され、被害の拡大防止が急務と考えられる。
図1:ミカンナガタマムシの成虫(左)と幼虫 図2:幼虫による樹皮下形成層の食害。矢印は成虫脱出孔
(提供:神奈川県農業技術センター)
成虫、幼虫(図1)ともにカンキツ類のみを加害する。成虫は体長6~10mm、体色は黒銅色で、老齢幼虫は体長15~20mm。若齢期に樹皮下の形成層を食害(図2)し、幼虫態で越冬する。4月頃から蛹化、5月頃から羽化を始め、幹の裂け目等に産卵。6月中旬に羽化最盛期を迎え、10月頃まで続く。成虫は葉の周縁部から加害し、食害痕は鋸歯状となる(図3)。
図3:成虫による葉の食害と図4:被害樹における樹脂の漏出(提供:神奈川県農業技術センター)
図5:樹の部分的な枯損(左側)
(提供:神奈川県農業技術センター)
干ばつ、日焼け、寒害、台風、老化等により樹勢の低下した樹に多く発生。被害にあった枝や幹はひび割れて枯れ、樹脂の漏出(図4)が認められることがある。甚だしい場合には樹が衰弱・枯死し(図5)、放置すると被害は急速に拡大する。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)冬期の寒害対策、適切な剪定・肥培管理を行い、樹勢の維持に努める。
(2)被害枝・樹は、5月までに剪除・伐採を行う。
(3)剪除枝・伐採樹を放置すると、成虫の発生源となるため、園外に持ち出し適切な処理を行う。
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