醤油醸造用大豆新品種「たつひめ」と小麦新品種「たつきらり」開発 ヒガシマル醤油×農研機構2025年2月4日
ヒガシマル醤油(兵庫県たつの市)と農研機構は、醤油醸造に適した大豆新品種「たつひめ」と小麦新品種「たつきらり」を共同研究により開発した。「たつひめ」は病害に強い多収品種で、早生の多収品種「たつきらり」は、現行品種で晩生の「ゆめちから」との作期分散が実現できるため、原料の安定生産につながると期待される。
図:たつの市で栽培される大豆「たつひめ」(左)と小麦「たつきらり」
ヒガシマル醤油は、素材の良さを生かす日本料理に欠かせない高品質な淡口醤油と、その淡口醤油の良さを生かした多くの商品を提供してきた。「原料の産地からお客様の食卓まで」責任を持つことを掲げ、原料の種子の段階から関わり、地産化に取り組んでいる。
平成10年には醤油の主原料である小麦の全量国産化を達成し、さらにより高品質な原料を求めて、地元兵庫県播磨地方の生産団体と「契約栽培による原料の地産化・見える化」に取り組むなど、醸造原料の種(品種)から関わって醤油の品質向上に努めている。
醤油に適した品種には、成分的にたんぱく質の含有量が高く、かつたんぱく質と糖質がバランスよく含まれていること、醸造用加工適性が高いことが求められる。さらに、「原料の地産化」を推し進めるには、地域の風土に適応して栽培がしやすく、収量性が高い品種であることも重要。その取り組みの一環として、同社は、醤油の主原料である大豆(令和元年度から)、小麦(令和2年度から)について、農研機構との共同研究により、醤油醸造に適した高品質な品種の開発を進めてきた。
現行の大豆品種「たつまろ」は、倒れにくい特性と莢がはじけにくい特性から、収穫ロスが少なく栽培しやすい品種だが、土壌病害抵抗性が十分でないため、改良が望まれていた。また、現行の小麦品種「ゆめちから」は、たんぱく質含有量の高い品種だが、西日本地域で栽培すると成熟期がかなり遅くなる特性であるため、梅雨時期にかかり降雨による品質低下が懸念される。さらに、収穫時期が遅くその後の大豆の播種が遅れることも、醤油原料の安定生産を考える上での課題となっていた。
大豆新品種「たつひめ」は、高たんぱくで醤油醸造に好適な多収品種。ダイズ茎疫病耐性を付与しており、病気に強く、安定多収が見込める。一方、小麦新品種「たつきらり」は、高たんぱくで醤油醸造に好適で、パン用にも適している。現行「ゆめちから」より多収で収穫時期が早まるため、次作の大豆の適期播種が可能で安定多収化が見込まれる。現行「ゆめちから」との2品種体制で気象リスク分散、作業時期の分散も可能となる。
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